トップページへ 土日農業研究会ページへ 農業情報ページへ 作業日誌ページ 食情報ページへ いなか e-hanashiページへ 会員募集ページへ
 ブログへ | お知らせページへ | サイトマップへリンク集へ | NPO「食と農」へ

作業日誌

4月16日
春本番の春耕

作業日誌もくじページへ

 
■4月16日 春本番の春耕

八郷でも桜の季節が終わり、いよいよ春植え野菜の種まき・苗植えの時期到来です。
土日ファーマーも腕まくりしての出動となりました。が、この日は都合つかない人多く、5人の出動でした。
そのうちの1人は、前回からボクの車で同道している我が家の近く、綾瀬市の小島さんです。30代前半の若者。スクーターで行くという熱意に感じ、またメンバーになる可能性大の若手とあって、同道をお勧めしている人です。
そして事実ボクの期待通り、畑でこの日も小島さんはよく働き、貴重な労力となりました。

畑は、4月半ばとなり、黒々とした地肌から雑草がポツポツと伸び始めています。始業早々から、若月さんが、耕運機を持ち出しあちこち耕運しました。このところ”耕運機係り”の若月さん、といった感じで、操作ぶりが手馴れています。ところどころに年越しの玉葱や小松菜、春菊などが、わざわざ飛び飛びに植わっていますが、それらの間の空き区画を、縦に横にと丹念に耕運機を押し続けました。ひたすら黙々と。そして、デジカメを構えるボクの方へ向ける顔は、楽し気顔そのもの。心底、楽し気です。ボクもまた楽し気顔に、きっとなったはずです。小松菜が菜の花をいっぱい咲かせていますが、菜の花に似合いの、楽し気な若月さんの耕運機押しです。みずみずしい響きの「春耕」は、心浮き浮きの気分にもなることを若月さんに見せてもらいました。嬉しかったですねえ。

菜の花の中で進む耕運機による春耕 食用菊の苗の植え付け
菜の花の中で進む耕運機による春耕
食用菊の苗の植え付け

宮本さんが、耕運したあとに転がっている雑草の塊を熊手で掻き寄せ、隅に集めます。雑草ポツポツの畑が、みるみるキレイに変身しました。これで、ナス、トマト、キュウリなどの苗、ゴーヤ、ウリ、小豆などの種、それに里芋の種芋などを植えて行く、春植えの準備が整いました。次週は、いよいよわれら得意の作物・里芋の種芋植えです。他の品種も順次苗植え、種まきし、間もなく春作業が終わるでしょう。この日は、耕運したあとに、麻賀リーダーが育ててきたルッコラの苗と、種苗店から買ってきた食用菊の苗を移植し、カボチャとナスタチウムの種まきをしました。また、畑の南側のはじ20メートルに渡って、ヒマワリの種まきもしました。食用菊はわずか3本でしたが、大きくなったら、茎を摘んで刺し芽して増やす方針だと、麻賀さんに告げられ、納得。さすがリーダー、シビアな作付け計画を秘めていました。

冬越しした野菜のうち小松菜は、2畝分がすっかり大きくなり一斉に菜の花を付けていました。”勿体無い派”のボクが「最後まで食べよう」と宣言、比較的柔らかい脇芽の菜の花を摘み、和え物で食べるために収穫し、また背丈の高い菜の花を切花として切り取り、さらに葉の茂った小松菜を漬物用に抜き取りました。そして、その3点とも一抱えずつほどたっぷり持ち帰ることに。漬物にみんながしたかどうかは分りません(好き好きなので)が、畑にひょっこり現れた農業転業の木村さんが「茎が多少硬くても小松菜の漬物は旨いよ」とあと押ししてくれました。「さすが木村さん」と大声を上げたものでした。春菊も1畝分の頭を丹念に摘み取りました。半月もすると、脇芽が出て伸び、次の摘み取りを可能にしてくれるはずです。小松菜も同様です。勿体無い派はこの作業をし、満足したのでした。草取りもボクの得意技で、この日、師匠・永瀬さんの門口の道路わきの草をすべて取り終わり、気分さっぱりでした。

 

梨の花を摘み取る八郷のケーリーグラント・永瀬さん 梨の花を摘み取る八郷のケーリーグラント・永瀬さん
梨の花を摘み取る八郷のケーリーグラント・永瀬さん

春作業本番のこの日は、永瀬さんも梨の受粉作業のまっただ中で、マツシマという樹種の梨の木から、雄花の花粉を取るために、花をむしり取る作業をしていました。花を花粉採取器で温め、成熟させて花粉を採ってはそれを鳥の羽に付け、豊水、幸水、新高などの樹種の花のメシベ1個1個に点けて、受粉させるというのです。何100本もある、それこそ何10万、何100万個という花の受粉作業のご苦労を思わずにはおられませんでした。実が成ると、次には2回も3回も摘果し、実の大半を捨てることになる梨栽培。それこそ芸術品をつくるような農業があるのです。その仕事を見ながら、しぜんとわれら土日ファーマーも、「農業」という営為をさまざま突き詰めるだけ突き詰めてみようという気になっているのです。ボクに言わせれば、麻賀さんの食用菊の増殖しかり、ボクの「3種混合天然農薬」しかりです。師匠の花摘み作業をそっと写真に収めたことでした。

午後4時。閉店することにしました。くだんの菜の花、春菊のほか、三つ葉、葉を食べる葉タマネギと、ボクが朝、広瀬さん宅を回って頂戴してきたタケノコをおおむね1個ずつ(木村さんにもお裾分け)お土産に持ち帰りました。タケノコは広瀬さん方へ出方の様子を伺うために行ったのですが、温かい日が続いたためか例年より少し早く出ていたというわけです。今年もまた、死ぬほど好きなタケノコのシーズンがやってきました。自然の恵みに、そして広瀬さんのご好意に感謝しつつ、ボクは5〜7月タケノコに溺れるのが楽しみです。5月は孟宗竹、6〜7月は真竹です。先にNHKのTVで、孟宗竹も大きく伸びたものも先端50センチほどは柔らかくて美味しいと言っていましたから、今年は楽しみの量も増えそうです。なんといっても死ぬほど派です、ご想像下さい。翌日朝の我が家の食卓も、併せて。

(4月20日 宮崎記す)

≪ページトップへ



Copyright (C) 2004-2011, All rights reserved by Takanori Miyazaki.