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作業日誌

7月15日
暑さと戦いつつ草取りに頑張る

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■7月15日 暑さと戦いつつ草取りに頑張る

7月15日(土)。クレージな暑さの1日。天候異変の梅雨さ中、雲はあっても、それを突き刺すような日射が朝から畑に照り付けました。夫婦と4人家族の2家族のほか4人が出動。ジャガイモなど若干の収穫のほかは、草取りに専念した1日でした。毎週出動しているのは数人のみで普段は除草に手が回らず、メインの30アールの畑は草ぼうぼう。朝、手を付けるときは気が遠くなるようでした。でも1歩1歩と言い聞かせながら、頑張りました。真夏日のような日射は午前10時ごろには早くもピーク。全身から汗が噴き出しました。脱水症や熱中症を避けるべく、ちょっと働いては木陰に避難し水を補給しながら作業しました。草取りの状況を写真で見て下さい。左側が”使用前”、右側が”使用後”の写真。1歩1歩の努力の痕がはっきり分かるでしょう。

草ぼうぼうの夏畑 除草したあと、ほらこんなキレイに
草ぼうぼうの夏畑
除草したあと、ほらこんなキレイに

11時過ぎ。たまたまみんなが畑の入り口の樹陰に集まったので、食事にしようということになりました。誰かがそう言うと、みんな即賛成です。勝海さんが準備良くコンロを持ち込みトウモロコシと枝豆をゆでていて、丁度ゆで上がったときでもありました。もぎたてのトウモロコシの甘さと塩分のマッチングが最高です。よーく味わって食べました。目をつぶり舌に全神経を集中し、野菜たちに感謝しながら。
そこへ、武資くん・怜子ちゃん兄妹を乗せた矢作さん夫妻の車が到着しました。噂をすればナントやらでした。「武資くん待ってたよ」とみんなが歓迎する中、麻賀さんが「キュウリとトマトが君を待ってるよ」と武資くんを促すと彼、一目散にハウスへ走り、嬉々として収穫しました。次に水場へもって行って洗い、食卓に出します。武資くんがキュウリの先端に塩を押し付け、かじりつきます。怜子ちゃんもお兄ちゃんを真似てかじりつきます。トマトにも塩を付けガブリ。ものも言わず、息もつかず、丸かじりです。無言なのはおいしい証拠。それを見てみんなも満足気です。おいしい体験を1つ1つ積み重ね、「食」の世界を広げていく4歳11ヶ月と1歳10カ月。嬉しいではありませんか。「エヂャマメ、エヂァマメ」と怜子ちゃんが要求します。ハイ、枝豆をどうぞ・・・。どうやって食べたでしょう? 想像してみて下さい、幼児の枝豆しゃぶりを!

仲良く収穫する武資くんと麻賀さん ほら、あっちにもいいのがあるヨ
仲良く収穫する武資くんと麻賀さん
ほら、あっちにもいいのがあるヨ

昼食の後は、樹陰で昼寝です。椅子に座って寝る人、地べたにシート敷いて寝る人。樹陰を涼しい風が渡ります。ハッと気がつくと、蝉の声。頭上の、2本の梨の木で鳴く何百の蝉たちの声があたり一面に交響します。風を呼び込んでいるようです。優しいシューマンの曲「子供の情景」などを思い出す「八郷の夏」です。地べたに横になると身体が軽くなり、心が安らぎます。「八郷の畑」の、これがわれわれへの最大の恵みです。
≪ゆで豆を皮剥き取り出す幼の夏 隆行≫
≪蝉の声樹陰に優し風を呼ぶ 隆行≫

キュウリ、トマト、トウモロコシを楽しんだ昼食 吹き抜ける風が心地よい樹陰の昼寝
キュウリ、トマト、トウモロコシを楽しんだ昼食
吹き抜ける風が心地よい樹陰の昼寝

子供たちはしばらく寝る格好だけしていましたが、もったいない気分にもなったのでしょう、起き上がると遊び始めました。お母さんがもってきた4輪の付いた荷物箱が恰好の乗り物に。ちょうど良い斜度の付いた永瀬さん宅への取り付け道路がお誂えの遊び場です。武資くんが箱に座り、足でひと蹴りすると、4輪カーが滑るように転がります。最後は相当のスピードです。自分で発見した遊びが感興をかきたてるのでしょう、たちまち夢中です。道路下の草原へ車ごと突込み、それが安全だと分かると、草原へのダイブへと遊びが広がります。怜子ちゃんがノコノコやってくると、余裕の手招き。今度は二人乗りで走ります。道路わきに溝もあり、お母さんが目配りし、道路の真ん中を走るように注意します。さらに監督者はサポーター役も負わされ、二人乗りで車を坂上へ押し上げる再三の注文に困ったふうを隠して応えています。いつもはお父さんの作業(この日は主としてジャガイモ掘り)を手伝う武資くんもこの日は、遊びを決め込んだようです。
≪車輪付き荷箱で遊ぶ夏草原 隆行≫
≪ものがみな玩具となる夏童 隆行≫

怜子ちゃんと車に乗る余裕のお兄ちゃん 車付きの荷物箱が武資くんの遊具に変身
怜子ちゃんと車に乗る余裕のお兄ちゃん
車付きの荷物箱が武資くんの遊具に変身

子供に触発されるように昼寝から起き上がった土日ファーマーたちはというと、午前から通しての草取りです。30アールのメインの畑に続き、少し離れたところにある10アール弱の畑Aのサツマイモの草取りです。ジャガイモ掘りを終わった数人も合流し、総がかりで挑みました。5月中旬に植えたサツマの苗は良く活着し1メートルにも蔓を伸ばしており、負けじと畝間の草もそれを覆い隠すほどに一面に繁茂しています。50センチはあろうかろいう雑草を引き抜き刈り取るのですが、疲れるので膝を付いて前進していきます。なにやら匍匐前進です。長さ50メートルにもなる畝間を尺取虫のように少しずつ少しずつ、前だけを見ての前進です。畝のゴール地点を見ると気が遠くなるんです。約2時間の苦闘で、写真を撮り忘れましたが、使用前・使用後でこちらも見違えるほどキレイに。これで一安心です。うまく行けば、これから一気にイモの蔓が茂って草を生えさせないことも期待できます。肥料をあえてやらなかった今年のサツマがどんな実りになるか、9月の収穫(苗植えから120日後)が楽しみです。

トマトなどに「昆布エキス」をまく準備の麻賀リーダー 綺麗になったいつものアングルのファーム
トマトなどに「昆布エキス」をまく準備の麻賀リーダー
綺麗になったいつものアングルのファーム

6時ごろ、雨がパラパラと来ました。ジャガイモを早くしまわないと大変です。濡れると腐れの元となるからです。畑に来られない「会費会員」の人たち8、9人にPETボトルのダンボール箱に詰めて宅配する贈り物の荷造りを、みんなで大騒ぎしてやりました。大小のバランスなんて言っておられません。タマネギも何個かずつ入れるつもりがそれもバラついたようです。人数分のジャガイモの全体量が足りず、「個人区」として栽培してきたボクの区画のイモも構わず、惜しまずに贈り物に回し、運動会の障害物競走のような拙速の作業を無事終えました。腐れなどたぶん無く、宅配到着となったものと思います。
このプレゼントは、会発足以来続けています。土日農研の会員の絆の証しのつもりです。どんな組織にも、それを下支えする人たちが必要です。会員の人たちがそれぞれのライフデザインに沿い、畑へ出て農作業をしたいと思うまでに畑のプライオリティが高まることがあれば最高だし、土日農研の存在価値も高まろうというものです。仮にそうならなくとも、会を理解し支えてくれる人たちへの出動組からの「喜びのお裾分け」とボクは考えています。社会もそうした個々人の自由な紐帯によって成立しているのですから。この日の夜、宅配便を500円で発送していただける協力農家の竹村さん宅に寄り、9個口を依頼しました。今年前半の会員の人たちへ対するボクのノルマを果たせて、帰途の気持ちの軽かったこと! お蔭さまで、巨人も11対9でヤクルトに競り勝ちました。

(7月17日 宮崎記す)

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