8月25日 |
炎天の草取り・ソバの種まき |
8月11〜12日 |
千葉白浜の”農友”を訪ねて |
■8月25日 炎天の草取り・ソバの種まき | ||||||||||||||||||||
8月初の出動。それはボクだけで、他の熱心組はほぼ毎週の精勤です。頭が下がります。この日は5組10人が集いました。 あと5組ほどが揃えばフルエントリーですが、お産だったり病気手術後のリハビリ中だったり、仕事のやりくりがつかな かったりと、そんな具合で、あるいは畑の夏休み感覚もあったりで、8月の出動はやや手薄? そのため、土日ファーム は雑草の跳梁を許しておりました。毎年、夏はこうなりがちです。なんといっても1000坪を越える農場ですから。
この日のメインは蕎麦の種まき。作物には発芽や成長の適期があって、8月のこの時期に種まきするものに、蕎麦や大豆 があります。地主・永瀬さんと、蕎麦は共同で栽培するパターンが定着しつつあり、その栽培区域300坪ほどを朝、永瀬 さんがトラクターで耕運して下さいました。その前に、全面に生えている雑草を除草しようと総がかりで草取りです。 続いて、畝幅60cmほどに種を蒔く溝をつけます。長さ約50mの溝がまっすぐ付けられるよう紐を引いての作業。次に蕎麦 の種をボウルに入れて持ち、それをパラパラと歩きながら蒔いていきました。その上に足で土を薄くかけると終了。夕刻、 化成肥料(チッソとカリの混合。リンはなし)を地面にパラパラと巻き、最後に雑草の発芽を抑制するという農薬を水溶液にして噴霧しました。面積が広いので、抑制剤を1回巻いて除草の労を軽くしようという師匠のやり方です。 蕎麦は、11月に収穫。粉にして、師匠と仲間と一緒に蕎麦打ちするのが楽しみです。
昼食時。みんなが集まっているところに師匠がひょいとやってきて、畑の管理について意見したいことがある、とやおら口をきられました。畑が雑草に負けている問題であることにみんなピンと来て、神妙に耳を傾けました。毎年この問題が 夏にピークに達し、地主さんに対し心苦しく、また自らも腹立たしく、申し訳なく情けなく思っていること。また労働力 と栽培面積のアンバランスが長年のジレンマで悩ましい問題であることを、ボクから率直にお話ししました。若月さんが ”年の功”で「もっともっとオレたちの愛情を注ぎ込まないといけないと思っています」と発言しました。みんなの思い、そして師匠が仰りたかったことが同調し、心が解け合ったような空気が話し合いの場に流れました。その空気に、師匠も納得だったと思います。13年もお付き合いしてきた、一人の老農家と、農業好きの我々との間の、コミュニケーションの大切な一こまでした。一瞬のうちに食卓に和みの空気が戻り、食事を終わりました。
食事後、この一幕を経たからでも、いやいやもともと働き者ばかりの集団でもあるので、太陽いまだ真頭上というのに、 みな一斉に畑に出て、草取りを中心に作業を再開しました。何か所かに植えたカボチャ区画が草ぼうぼう、ネギも落花生 も草に隠れています。草を掻き分け掻き分けし、その根を探し出し鎌で掻き切ります。汗がボタボタ。息が上がります。 少し働いては、藤棚の下の樹陰へ待避し水を補給します。そうして尺取虫のごとく、1センチ1センチ前進していきました。 麻賀リーダーたち何人かは、畝を作りマルチをかけ、ラッキョウ・浅葱(あさつき)の種(鱗茎)を植えます。カボチャ 区画の除草をする誰彼が、葉に隠れるように熟成している玉を次々と、小屋に運んできます。黄色、白色、緑色の異種類 のカボチャが死ぬほど(土日メンバーの口癖。でもリアリティ十分)積み上げられます。ほかにキュウリ、ナス、ウリ、 ネギなどの収穫物も集められます。女性軍がこれらを人数分に分けます。土日自慢のシソ、赤シソ(シソジュースの材料) はこれも死ぬほど繁っており、各人が好きなだけ、葉っぱを摘み取ります。
午後3時。師匠から、もぎたての梨が籠一杯差し入れられました。川村夫人が剥き手、みんなは「私たべる人」で、たっ ぷりと賞味しました。永瀬さんが1年がかりで手塩にかけて作られた生産物。今年の夏も、甘く、本当に甘く、美味しい 梨でした。「何もいうことなし」の梨! みんな大満足で、ひと休憩の後また作業に戻ったのでした。帰りがけにみんな 買い求め、死ぬほど美味しい永瀬さんの梨を、死ぬほど一杯のカボチャと一緒に、持ち帰りました。幸せのてんこ盛り。 間違いなくそんな1日でした。小さな幸せの積み重ねが人生、というボクの生き方に沿う1日となりました。 07年の、炎天の作業の1日を、ブログで駄句にまとめました。覗いてみて下さい。
最後。10人の出動者のうち、2人は吉田家の兄弟、大士郎君(小6)と祐大君(小3)。畑と昆虫が大好きな2人は、捕虫網をもってきて、畑中を飛び回っていました。カブトムシは「やっぱりクヌギ林でないと、ここら(栗畑)ではいません」 とターゲットは専らトンボ。そうするうち「コガネムシ見つけた」と素っ頓狂な声を上げた大士郎君。「よく見たら体色 がちょっと違う。これは**でした」(**をボク忘れました、御免)となかなかの博学ぶり。「来年は中学生だから」 とボクが水を向けると、「部活を休んで来ます」と答えました。「よっし、それだね」。きっとニッコリしてボクはそう 返したのでした。遊ぶ中から、大人の仕事を見、この日は大人の難しい話を聞き、子供は成長していくはずです。おっと、 遊びだけじゃなかったよね、兄弟。魚箱栽培の稲に(土用干しの後)、水を入れてくれたんだったよね。 畑は宝箱−−。ボクはそう思っています、吉田大士郎君、祐大君。じゃあ、また。 (8月26日 宮崎記す) |
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