どこに何を植えるか−−。輪作という基本体系のもと、野菜どうしの相性や、マリーゴールド(花)などとの混食(虫除けのため)といった要件を考え、すでに正月のミーティングで年間計画を決めています。今後、作業日誌を書き進めていく過程で、どの区画に何を植えるのか、明らかにしていきます。もちろん収穫の結果も。また、野菜によっては、特別な土壌資材や肥料を使い、それらを使わないケースとの比較などもすることになっていますので、そのこともレポートしていきます。
ジャガイモを植える区画に、「ぼかしコンブ」という肥料を少量まきました。鶏糞と乾燥コンブの粉末が主成分のようですが、袋には、この肥料の成分のミネラル(微量成分)が30種ほどびっしり書かれていました。コンブが主にその元になっていると思われます。この肥料は、畑リーダーの麻賀裕之さんが調達したものですが、コンブといえば、1週間ほど前、ボクが地元・鎌倉の海辺からテングサようの海草を拾ってきて、干して粉にし畑に撒こうと思っていたのです。農業研究会らしく10周年の今年の発展的実践(advanced approach)として。海草という妙なる物質のタイミングの一致がなにやら不思議に思えました。ぼかしコンブの「ぼかし」とは、完熟していない熟成途上の、という意味に理解していただいて結構です。 日を改めて詳しく説明します。
*岩昆布拾うや七里ヶ浜の波 隆天
これが2月15日の散歩の際につくった駄句ですが、その昆布は熱湯をかけ摺りショウガで食べました。風の強い日、鎌倉の海にも、岩についたままの昆布やテングサなどの海草が打ち上げられるのです。いいでしょ。ついでですが、鎌倉市はもう10年も前から、剪定した庭木の枝葉から腐植土を作り、市民に無料還元していますので、例えばヤーコンの苗作りなどでこの土を利用しています。 この日、もう一人のリーダー小林一美さんが麻賀さんと相談し、ジャガイモの種芋を7種買ってきていて、3月の種植えに備え、小屋に保存しました。これで春一番の作業であるジャガイモの種植えの準備は万端整いました。さあ、作業よ、いつでもいらっしゃい。われわれ、気力もいっぱい充実しているよ・・・の心境です。ジャガイモの7種は、種植えのときに紹介します。いろいろな種類があって面白いですよ。
12時半。いつものように、車座になって、昼食をとりました。遠く筑波山の山並みをながめながらの食事のおいしいこと。2、3人のメンバーが来がけに回って買ってきたという「竹村さん」のイチゴが、竹村さんからの差し入れ分と併せて食卓に。 グアムに行ってきたという小林さん夫婦からの、チョコレートのお土産も差し入れられ、贅沢なランチとなりました。イチゴの竹村さんについては、別な機会に。
午後。畑 E の作業です。菜の花やコウサイタイ(中国野菜)の花の部分の収穫、キャベツや大根の収穫、タマネギの苗(昨年秋に種まきしたもの)の移植をしました。タマネギは葉の部分は霜などでやられ、数センチしか残っていませんが、掘り起こすと、根がその2〜3倍も伸びていました。丈夫な苗であることを確認しつつ、畝をつくり株間15センチほどで数100本植えました。昨年末に移植したものと合わせ、これで1000本にもなったでしょうか。移植したあとから、元気づけようと、近くの公民館から水をもらってきて、ジョロで水やりをしました。
みんなゆったりと、土と戯れるといった感じで働きます。作業を、心から楽しんでいるのです。誰が仕切るでもない分業が自然と出来、つまり思い思いの仕事をみんなが自由にやる、という一種独特の作業形態が、いつも土日ファームでは展開されるのです。
ギスギスした空気など一瞬たりとも流れることはありません。これでこそ、生命の洗濯ができるというものです。かけがえのない豊穣の空間なのです。もちろんローマは1日にして成らず、ですが。 写真は、菜の花をつんだり、タマネギを移植したり、思い思いの作業をするメンバーです。自由で豊穣な空気が漂ってはいませんか?
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