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作業日誌

6月19日
フル回転でビシッと決めた
6月 5日
玉里村・八郷町でブリッジ作業

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6月19日 フル回転でビシッと決めた

6月19日。梅雨の合い間にうち続く夏日の1日。二手に分かれて午前9時、作業スタートしました。玉里組・・・4組6人が田圃の畦の草刈りと田の草取り。八郷組・・・5人が草取りなど無尽蔵の畑の仕事に着手。玉里の田圃は、田植えから1ヶ月半たって畦の草が目立つので、1回目の手当てをしようと出動しました。
支援者の1人、貝塚洋さんに草刈り機を2台貸していただき、2人が畦の草刈り、他の2人が畦のぐるりに伸びた雑草を鎌で切る作業をしました。女性2人は畦に生えたセリを摘みました。八郷のメンバーの分も・・・・とたっぷりと。畦の草は思いきり伸び始めていて、草刈り機が重く感じられるほど。節のある草が田圃の中へ50センチ〜1メートルにも伸び、節のところから根を下ろし始めています。 ちょうど良いタイミングの草取りです。田圃は田植えの1週間後に除草剤を(イネミズゾウムシの殺虫剤と一緒に)散布したので、中には、オモダカソウとセリがポツポツ生えているだけでキレイです。除草剤は、人力の草取りが追いつかないため1回だけと決め5、6年前からまいていますが、薬剤の偉力は凄いものです。
2時間ほどでやっつけ、500メートル離れたヤーコン畑に向かい、こちらの草取りをしました。 2週間前の作業に続くものですが、200坪ほどの畑一面が早くも10センチにも伸びた草に覆われています。 雑草ちゃんに「負けたよ」「カンベンしてよ」と言いたくなります。10年の悟り。雑草にハラを立てても仕方ないのです。草の間のヤーコン、落花生、アピオス、カボチャの苗たちは、負けず元気に成長しています。その生命力に期待し、ほどほどのところで草取りを切り上げ、八郷へ向かいました。途中、八郷のリーダーからケイタイが入り、ボクらの到着まで昼食を待っていると。嬉しいですね、こういうの。

12時半。11人が顔をそろえ「やあやあやあ」と再会の挨拶。丸太イスに陣取って昼食と相成りました。太陽は頭上に、でも風は湿気を含みいくらか涼気をもたらしてくれます。我らの畑も、周囲の田圃や遠くの筑波連山の山肌も見渡すかぎりグリーンです。なんとも気持ちの良い青空昼食です。 この自然にわが全身を溶け込ませて、おにぎりを食べたからでしょうか、何を話して食べたかほとんど覚えていません。


田圃の土手の草刈り
  美しい借景の中で取る青空昼食
田圃の土手の草刈り
美しい借景の中で取る青空昼食

午後。我らの師匠(地主さんの)、永瀬さんが畑に顔を出されました。「どもども」と言葉を交わします。お元気そうで嬉しくなります。みんな師匠登場で気合が入るのでしょう、畑にも生気がみなぎるようです。師匠には、うまくない部分が眼に留まるものと見えます。トマトの手当ての欠陥を指摘されました。ワキ芽の落とし方が不十分で、「大きい幹を1本だけ伸ばすようにしないと、ワキ芽も伸びて、入道雲みたいな木になってしまう。それを木があばれると言って、いい実は成らない」と。
例えが分かりやすく大いに納得。気付いた者が芽欠きをしていたのですが、間違って欠いてはいけないという思いがあり、おっかなビックリの不十分な芽欠きだったようです。30本ばかりのトマトをみんなで確認しながら芽欠きし、ひと仕事終わりました。 1メートルにも伸びたトマトにはどれにも花が付いています。その花は、もっとちゃんと芽欠きをしていれば、 根元に近いところからテッペンまで5段ぐらい花を付け、沢山の実をもたらしてくれたはずなのに、ボクらのは3段ぐらいしか成らないヨ、との指摘も受け、ガックリしました。1段の花に4つ5つの実が成りそうではありますが。10年もつくってきて、至らないところばかりで、恥じ入ってしまいます。

次にキュウリに、はすかいの支柱を立ててやりました。支柱は近くの竹山(この地区の入会権の山のよう)から切り出してきたもの。2メートルもの竹を2人がかりでキュウリの根元に突き刺し、それに横に補強材を渡しました。これでたんと実をつけてくれるでしょうし、たいていの台風には耐えられるでしょう。ジャガイモはぼつぼつ収穫どきですが、早生種のキタアカリを試し堀りしました。実入りがよく収量も良いようです。大根、赤カブ、カブ、ニンジン、葉ものなどを次々と収穫。どれも立派な出来で、永瀬さんに褒められみんな大満足です。トウモロコシも丈夫に育っていて、1.5メートルほどに伸びた茎のテッペンには、雄花が開き、その下の茎に付いた何本かの実のヒゲに落下し授粉しています(見えません)。実りまでもうあと1ヶ月もかからないようです。ゴーヤもツルを伸ばしていて、実りは間もなくでしょう。オオバが2坪ほどのコーナーにびっしり生えています。


力を合わせてキュウリの支柱立てをする 師匠にトマトの芽欠きの要領を教えてもらう
力を合わせてキュウリの支柱立てをする
師匠にトマトの芽欠きの要領を教えてもらう

これら多品種の野菜が600坪(20アール)の畑に、植わっているのです。それぞれの野菜コーナーの草取りがこの時期は、待ったなし。 あれこれの作業の合い間を見ながら、あちこちにしゃがんでみんな草取りに余念がありません。大勢でやる仕事の"号令”はリーダーがかけても、あれやれこれやれの指図は誰からも出ません。みんなマイペースで、気付いた作業を黙々と、あるいは談笑しながらこなしていきます。休みたくなったら、木陰にいったりタバコをふかします。みんなが好きに、自由に、作業を楽しんでいるのです。みんなで協同する喜びを大事にしつつ、みんなが相対する相手は、あくまで野菜であり、自然なのです。草取りは、まだ続きます。この畑の隣の畑B(5アール)にびっしり植えている里芋の草取りです。前週に特別出動したメンバーが里芋の芽を確かめ、その周りの雑草を取る一次作業をしたのに続き、本格草取りに挑みました。根が強く張りだした草がほとんどで、なかなか厄介でした。最後、みんなバテながらもキレイに取り終わり、やって良かった・やって安心した、里芋の草取りでした。

4時半。ひとまず店じまいし、500メートルも離れたところにある支援農家・広瀬さんの竹山に行き、マダケのタケノコをいただくことにしました。もちろん許可をもらって。1メートルかそれ以下に伸びた直径5センチほどのタケノコがニュキニョキ出ています。根元から折り皮をめくると、黄色か薄緑色のタケノコの肌が現れます。これなら食べごろです。すっかり緑色になったのは、硬すぎてダメ。 みんな5本も10本も取り、両腕に抱えて山を出ました。女性軍が、料理のコツをレクチャーします。孟宗竹に比べて、アクが少なくて美味。ボクは大好きで、次の出番の2週間先までタケノコ攻めに遭うゾ! と嬉しい想像をしました。この後、もう一仕事。すぐ近くの畑E(ここも5アール程度)の草取りをしばらくやって、5時半、ようやくこの日の作業を終わりました。いかにも長く、数えられないぐらいの作業をこなし、さすがに頭がボーッとなりました。身体も凝っています。でも、よく働いたなあという満足感・充実感が、全身に一種気だるく広がっているのをボクは感じていました。

(04年6月21日 宮崎記す)

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■6月5日 玉里村・八郷町でブリッジ作業

梅雨入り直前のクソ暑い1日。午前9時。霞ヶ浦湖畔の玉里村の畑に、メンバー8組9人が三々五々集まってきました。1ヶ月前に田植えした田圃の直ぐ近くに借りている、田圃作業の際に畑作も、という狙いの畑です。ここにヤーコンを250本ほど、カボチャを10本ほど植えていますが、苗移植後1ヶ月経っていて、早くも草がボウボウです。草は、多くはスギナ、ほかにスイバやチガヤなどです。スイバやチガヤは根から掘り起こし、スギナは根元から上をチョン切ります。根っこが複雑に伸びていて処置なしだからです。みんな家族の話やゴルフ談義をしながら、せっせと手を動かします。ヤーコンは20cmにも伸びたもの、まだ5cmほどしかないものと成長にバラつきがあります、小さいものには「頑張れよ」などと声を掛けたり、根元に土をかけてやったりしながら作業を進めます。

雑草取りも、一人前の土日ファーマーになるための大事な要件。それ以上に、どんな作業も楽しんでやることがもっと大切ですが、キャリア1年弱という新人メンバーも含め、みんなその精神はしっかり培っていて、一見シンドイ雑草取りも楽しげに、実に楽しげにこなしていきます。6アールの畑が2時間余りでキレイな畑に変貌しました。次は、約1ヵ月後に再度草取りをし、土寄せをし根元を強くしてやらなければなりません。その確認をし合い、作業終了です。続いて・・・・・・

ここから7、8km離れた玉造町の農家笹目さん宅へ、サツマイモの苗を分けてもらいにみんなで行きました。1本5円でウイルスフリー(病気の出ない)苗300本を買い、ついでにイモの保存方法を教えてもらいました。帰りに、同町芹沢地区にある新撰組でおなじみの芹沢鴨の生家があるというので、大挙見学に。郷士の家だったそうで、今は無人という大きな立派なお屋敷が雑木林を背に建っていました。また、近くの「なめがた農協」の支所が芹沢鴨記念館として解放されていました。百円払って入館し、数少ない鴨関係の資料(写真もなし)を見ながら、町観光協会の係が語る、NHKドラマで描かれる酒色に溺れる傍若無人の浪士隊局長に対する名誉挽回の話しを、興味深く聞きました。芹沢鴨がずいぶん身近な存在になって、訪問して良かったと思いました。


ハス田に囲まれた土日ファームでヤーコンの草取り 20アールの新畑で支柱へのトマトの結束作業
ハス田に囲まれた土日ファームでヤーコンの草取り
20アールの新畑で支柱へのトマトの結束作業

ここから八郷町まで20km。一気に八郷の土日ファームまで行って昼食を、ということになり車を連ねて向かいました。昼食後、地主の高橋さんが自作しておられるムラサキイモ(薩摩芋)の苗を50本もらい、さあサツマの苗の植え付けです。畑A(7アール)の一角に植えます。まずライムギを刈り取り、そこに畝作り。麦のあとにイモを輪作しようというわけです。この組み合わせは、遠隔種どうしで望ましく、麦の根の部分に三本鍬を打ち込み柔らかくしつつ、その上に30cmも土を盛り上げ高畝をつくりました。有機肥料をまき、上からビニールマルチをかけました。あとはマルチに穴を開け、苗を差し込み植えるだけです。良い苗、良い畝、そしてひたすらな作業・・・・・・きっと豊作という結果が待っていることでしょう。

午後5時を過ぎ、店じまいの時間が近づいてきました。最後は、収穫です。ボクらのメインファーム・新畑に移動し、元気よく伸びている野菜を手分けして収穫しました。ダイコン、カブ、ラディッシュ、シュンギク、キョウナに加え、ジャガイモの極早生種「インカのめざめ」を試し掘りしました。梨の仕事を終えた我らが師匠・永瀬さんが眺めていて、「よく頑張るね。どれも良い出来だ」と褒めちぎってくれました。ただ一つ、トマトを支柱へ結わいたやり方がヘタだと指摘を受け、プロの結束法を手取り足取り教えてもらいました。リーダーの麻賀さんと小林さんが、インカのめざめを丁寧に掘り「初物をどうぞ」と師匠に差し上げ、ささやかなご恩返しをしました。

店じまいは午後7時。午前9時から10時間。中味がこぼれ落ちそうな濃密な週末農業の1日がこうして終わりました。東京東村山市から来ている実山さんが、ブオーン、とオートバイの軽快な音を響かせて走り去り、これに続き、みんなの車が一台また一台と帰途につき、くれなずむ畑に一気に静寂が広がって行きました。しんがりの宮崎車も、楽しかった1日の余韻を惜しみつつ、ゆっくりと八郷をあとにしたのでした。
この原稿は、ダラしなくも出動から1週間も経ってのupとなりましたが、今週12日or13日も雨さえ降らなければ、何人かのメンバーが八郷の磁場に引っ張られるように出動し、草取りをするはずです。

(6月12日 宮崎記す)

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