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作業日誌

9月4日
栗拾いの秋

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9月4日 栗拾いの秋

9月4日。朝・夕方に雨、昼は曇天という、空を見上げながらの綱渡りの作業日でした。5家族7人が出動。夏の炎天下の作業から一転、秋風を感じる心地よい農作業日和で、ことのほか作業能率は上がりました。八郷町の新畑(20a)は、毎週何人かが盆休みもせずに出動して草取りなどをしてきましたが、やはり手が足りず、あちこち雑草だらけです。この日も誰言うともなく草取りからスタートします。ネギの区画にさっとみんなが集まってきました。そこが攻めどころという共通の見立てなのです。それぞれスコップやクワを雑草に付き立て、根こそぎ雑草を取っていきます。みんなでやると早いものです。やがて7、8列のネギの区画にキレイな地肌が蘇りました。

続いて1人が、秋枯れの始まったトマトを支柱ともども引き抜きます。他に、10cmにも芽を伸ばし始めたラッキョウ区画の草取りをする者、ネギの隣りに苗床をつくり、タマネギの種まきをする者、抜いたトマトの畝を整理して作り直す者(午後ここにホウレンソウの種をまいた)、とそれぞれが狙いをつけた作業を進めます。1人は朝一番に到着してからずっと草刈り機を駆っていて、あちこち動き回って草を刈り倒しています。女性2人は、収穫係です。ミニトマト、キュウリ、オクラ、ナス、白ナス、ゴーヤ、ウリ、唐辛子などをもぎ取り、1箇所に集めます。夏から同じ顔ぶれの野菜たちですが、秋風になでられるためでしょうか、野菜たちはそこはかとなく秋の顔つきに見えます。<秋きぬと目にはさやかに見えねども・・・>です。ナスは8月中旬に枝を落とし、”秋茄子”とする手当てをしましたから、9月〜10月まで実が成るはずです。

昼食前に、栗を拾うことにしました。雨が心配だったからです。栗は、われらの師匠・永瀬さんの隣りの養鶏農家の平岡さんの栗畑でずっと拾わせていただいています。薄謝で「好きなだけ取りなさい」と言っていただく幸運に恵まれてのことです(以前は栗畑ごと畑を賃借りしていた。つまり、オーナー栗の木だった)。最高の楽しみを与えていただき、本当にありがたいことです。

栗が下草の刈られた栗畑の地面にぞっくり落ちています。かつて見たことのない光景です。大々大豊作の04年の作柄なのです。イガイガから栗が飛び出したもの、イガイガの中に入ったままのもの、イガイガが落ちてまだ弾けていないもの・・・。栗の海の中にいて、軍手のみんなが手当たり次第に拾っていくという感じです。落ちたばかりのせいでしょうか、虫食いもほとんどありません。絶好のタイミングでの栗拾いで、全員あっという間にスーパーの袋に2つ分も拾いました。ただ、粒の大きさがイマイチ、小さいのも少なくありません。なぜでしょうか? 暑い夏(たっぷりの日照)のおかげで、量的に大豊作となったものの、それが過ぎて、1個1個に栄養が十分行き渡らなかったためかなあ・・・などと素人談義が繰り広げられました。

秋の香りがいっぱい。栗林の中での栗拾い。 04年、栗は大豊作。栗の海での栗拾い。
秋の香りがいっぱい。栗林の中での栗拾い。
04年、栗は大豊作。栗の海での栗拾い。

この日、帰ってすぐゆでて食べましたが、甘さもイマイチでした。これも上と同じ理由なのかな、と思ったものです。以前、メチャメチャ甘い栗にぶつかった年もありましたから。それにしても、野菜や果物はほんとに良く天候の影響を受けるものだと思い知らされます。さらに、その天候の条件(日照、雨量、その時期の問題)に加え病気や害虫の発声状態などが複雑に絡み合って、作柄に一定の規則がないことに気付かされます。植物って、毎年まったく違う生態を見せるものかな! と驚かざるをえません。

遅い昼食を取り、もう一仕事することになりました。もちろん主として草取り。夏〜秋はエネルギーの半分以上は草との戦いに向けられるのです。といっても、いつでも”できたところまでの作業”というのがボクらの草取り哲学でもあります。どっちが勝ちということのない戦いです。所詮、共存するしかない、とボクは最近思うようになっています。5時前、パラパラとき始めました。「上がろう、上がろう」とみんな。最後に、近くの協力農家・高橋さんを久しぶりに表敬訪問すると、カボチャとスイカが食べきれないほど成っているので、好きなだけ持っていって、と言われ遠慮なく一抱えもいただきました。こちらも秋の顔をしていました。秋の収穫物がいっぱいになった、なんともラッキーな1日。高橋家をあとにすると、急にザーッときました。間一髪。
ああ、良かった!種まきしたタマネギ、ホウレンソウにとっても最高の雨!めずらしく天気予報通りとなった天気に感謝しつつ帰途についたのでした。

いつも女性が収穫係り。楽しんで作業が、合言葉。 まずまずキレイな初秋の新畑。夏草も優しく見える。
いつも女性が収穫係り。楽しんで作業が、合言葉。
まずまずキレイな初秋の新畑。夏草も優しく見える。

(9月4日 宮崎記す)

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