うす曇りながら、爽やかな秋日和。前週が土曜日曜とも雨だったため、満を持したように大勢16人ものメンバーと援濃者が出動し、賑やかな作業となりました。畑には年内取りの菜の花が咲き、小松菜や春菊、サイシンといった葉物類が大きく育ち、収穫期を告げています。キャベツ、大根も早植えしたものが取りごろです。葉をたくましく茂らせたサトイモとサツマイモも土中で大きなイモを実らせているはずです。といった具合で、畑の賑やかなことといったらありません。ながめているだけで楽しく、嬉しくなってしまいます。

午前9時。三々五々集まったメンバーが「しばらくぶりの」挨拶を交わしながら、野菜の間を歩き畑の見回りをし、作業の手順を打ち合わせます。初めの作業は、タマネギの苗植えです。苗屋で買った15センチほどのものを5,6人が、マルチを張った苗床に植えていきます。ほかに、収穫期の過ぎたミニトマト10本ばかりを切り倒す者、ホウレンソウなどを間引きする者、草を取る者、といつものようにみんなが畑じゅうに散らばり、思い思いの作業をしていきます。

作業を始めてほどなく、珍しいメンバーがやってきました。会の長老（といっても70歳すぎ) のhuseさんが現れたのです。「春先から体調を崩し、胃がんの手術で2ヶ月も入院し、やっと調子が戻ったから」と、豪放磊落に話しながら。大手術をして間もない人とは思えないほど元気な姿です。突然だったので、びっくりし、顔や全身をながめまわしながら、安心し、次第に体じゅうで嬉しくなりました。会の創生のころから良く酒を飲み、人生を語り合った仲。一呼吸ののちに抱き合い、「良かった良かった」と背中を叩き合いました。12時ごろには、土日ファームの一角の「個人区」を耕す岡本さん、そのあと女性メンバー・児玉さんのお嬢さんと彼も駆けつけ、これで16人となりました。

秋空の下でのバーベキュー大会	秋にバーベキュー、バーベキューにビール

昼。この日は予定通り「バーベキュー」です。「兵站」を担うボクが肉・魚介類の買出しに行っている間にかつてワンゲル部で活動したという小林さんが、畑の脇のいつもの草原にバーベキューセットを据え、さっさか火をおこしています。畑から収穫したキャベツ、ジャガイモ、サツマイモも切り揃えられ、スタンバイです。畑のみんなに一声掛けると、さーっとみんが集まります。鉄板に肉や野菜が乗せられ、ジュウジュウ焼け始めます。もくもくと煙が立ち、「宴」の始まりです。丸太椅子から腰を上げ、みんなが鉄板を取り囲みます。肉やらエビやらイカやら、キャベツやらジャガイモやら、好きなものを皿に盛り上げ、丸太椅子に腰を下ろします。シュポッシュポッと缶ビールの音。「美味い」。「いい肉だ」。「キャベツが甘ーい」。感激の声が飛び交います。「野戦料理は美味いね。しびれるよねえ。舌も心もさあ」。huseさんが感じ入っています。異議無し。
みんなも同じ思いで、もくもくと食べます。

午後。サトイモとサツマイモを掘ります。サトイモは土日農研10年の歴史の中で、毎年のように豊作を続けてきた自慢の作物ですが、今年は夏の干天がたたり、収量がいまひとつです。でも、昼食時に銀紙に包んで”焼きサトイモ”を試食し、味が良いことを確認していたので、スコップをふるうみんなの顔はニコニコ・ルンルンです。結局、収量もほどほどのレベルに達し、ひと安心です。茎は油炒めで美味しいし、親イモも煮付けで十分食べられるし、イモのヒゲも梅酢につけると珍味の漬物になるし･････といった食情報が交換されました。「全部食べられるサトイモをヨロシク」とボクが叫びました。サトイモの、ヒゲの梅酢漬けのレシピは本ＨＰの「食情報」をご覧下さい。

サツマイモは、暑い夏ほど甘く収量もいい、と謂われる通りの出来でした。サトイモと違って、夏の雨の量が少なくても、あるいは少ないほど出来がいいと謂われますが、このあたりが植物の不思議なところです。さて。この日も、車はお土産でいっぱい。身づくろいをし、農場をあとにしたのが夕方5時でした。ボクは途中で夕食を取り、10時ごろ帰宅したあと、毎年の行事にしている「夜のサトイモの宴」を妻と二人でやりました。蒸かし芋（衣かつぎ）を生醤油で食べるのですが、これが得もいえず美味いのです。取立てを味わいたくて、翌日を待てないのです。まだ熱いやつを、ぴょろっと皮をむいて、醤油につけて･･････。ご想像下さい。ボクの食の幸せを。

多種類の野菜が育つ秋の土日ファーム	癒しの空間で、ハイ・チーズ。

（11月 9日 宮崎記す）

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