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作業日誌

3月12日
春一番の作業・ジャガイモの種植え

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■3月12日 春一番の作業・ジャガイモの種植え

待望、05年春一番の仕事・ジャガイモの種植えです。前夜から早朝まで雨が続き、大地の温もりでうっすら霞か靄のたつ朝。畑の土が黒々と湿り、モノクロの土手に緑の芽が顔を出し始めています。
我らの八郷ファームにもいよいよ春の到来です。

9時。三々五々、メンバーが集まってきます。麻賀リーダーたち数人はいち早く2月から出動していますが、多くはこの日が畑始め。なつかしい挨拶を交わしながら、早速肩慣らしの作業を始めます。冬のうちに買っておいたという金柑の苗や、千葉・幕張のFOODEXで仕入れたというメキシコ産アロエベラの苗を植えます。また、畑に埋めておいたヤーコンの種芋を、苗をつくるために掘り起こします。ウォーミングアップが済み、10人ばかりのメンバーが揃ったところで畑Aでのジャガイモ植えです。ひと月前に肥料、石灰をまいて耕運した畑に1メートルほどの幅で溝を切り、ジャガイモの玉を2つ3つに切って、それに草木灰をつけ、その1個1個を種芋として30センチ間隔で溝の中に並べ、土をかぶせていきます。種はメイクイーン、男爵、ワセシロなど5種類ほど。溝を切るときにはロープを張り、種に土をかぶせるときは種の上に薄くワラをかぶせ、美しく優しく作業が進みます。途中、この日の出動者16人が勢ぞろい、2時間ばかりで予定の5アールに植え終わりました。さあ、畑の最大の楽しみ、お昼です。

ジャガイモの切り口に草木灰をつける 溝を切ってジャガイモを植える
ジャガイモの切り口に草木灰をつける
溝を切ってジャガイモを植える

場所は、新畑わきのいつもの昼食場。兵站担当のボクと妻とで、肉を買い揃え、野菜を切り、バーベキューセットに火を起こし、準備OK。鉄板上で肉がジュージュー焼けます。キャベツ、エリンギ、ジャガイモ、ナスも次々と。「いただきまーす」。みんな一斉に食べ始めます。「うまい!」「最高!」の大合唱です。両親と家族4人でやってきた、3歳の矢作武資くんも「おいちぃ」「おいちぃ」の連発。武資くん、丸太椅子の上にあぐらをかいて座り、凄いリラックス・スタイルです。母の裕子さんは昨秋出産した怜子ちゃんをおぶって、目を細めて見ています。春風が母子を優しくなぜていきます。見晴るかす彼方に、筑波の山並み。土日ファーマーの心豊かな、昼食のひとときです。

バーベキューに舌鼓をうつ
丸太椅子にあぐらをかいて座る武資くん
バーベキューに舌鼓をうつ
丸太椅子にあぐらをかいて座る武資くん

午後。新畑の一角にビニールハウスを設置することにしました。東京世田谷で都市農業を展開するメンバーの小泉さんにリユースで提供してもらったもので、ありがたくも小泉さん夫妻も現地指導に。全員総がかりでやりました。ハウスはカマボコ型。間口4メートル・奥行き15メートル、高さ2.5メートルのなかなか大きいやつです。骨組みは金属パイプ。屋根の部分で丸くカーブするパイプを屋根の頂上部で結合させ、両端を土中深く突き刺して固定。それを、約40センチ間隔に数10本並べ、それを横木ならぬ横パイプで結び付け、さらに前面と裏面にも横パイプを付けてほぼ骨格が出来上がり。前面の中央に扉の枠を取り付けたところでこの日の作業を終了しました。次回、ビニールを張り、ビニールの上から風に対する強化用のロープを張り巡らして完成です。

筑波連峰の山並みをバックに記念撮影 同左
筑波連峰の山並みをバックに記念撮影
同左

ハウス内ではトマト、ミニトマト、冬野菜などを作る計画にしており(2月の作付け会議)、早くもビニールハウスでの野菜作りに夢を馳せる話が飛び交いました。ハウス内ではまた、1メートルの穴を掘り、安定した土中の温度を利用し、サツマイモやジャガイモを保存しようという計画もあって、ハウスは05年、われらに新しい楽しみを与えてくれることになります。

武資くん、3歳。記念すべき初労働 心を合わせてビニールハウスを組み立てる
武資くん、3歳。記念すべき初労働
心を合わせてビニールハウスを組み立てる

さて、3歳の武資くん。麻賀リーダーとの相性すこぶる良く、昼食後、麻賀さんが最後の収穫となるネギを、一緒に抜こうと誘うと、喜々として随いて行き、2人で仲良く作業をしました。昨年はじめて畑にきたとき、畝の間を、”もっこもっこ”走っていたのが、半年たって走りっぷりが”もこもこ”に成長していました。麻賀さんがスコップを入れたネギを小さな手で抜き、それを下げてもこもこ走り畑の端に運ぶ姿は、なんとも長閑でほほえましいものでした。もうしばらく経つときっと”さっさか”走るようになるでしょう。お母さんの翌日のメールに「ネギはあまり好きではありませんでしたが、これ武資が抜いたネギよ、と言って食べさせたら、喜んで食べました」とありました。子供の好き嫌いなんて、所詮そういうこと!と思わずにはいられませんでした。かけがえのない食育になったことを実感しました。

楽しそうにネギを抜く武資くん 武資くん春の筑波嶺を輝かす 隆行
楽しそうにネギを抜く武資くん
武資くん春の筑波嶺を輝かす 隆行

菜の花や月は東に日は西に−−。これは蕪村の名句です。3月から4月にかけて、筑波山麓でもその光景が見られるのではと期待しているのですが、この日は残念ながら空振り。午後5時半、筑波山に美しい夕日が落ちるのを見ながら閉店したのでした。

(3月15日 宮崎記す)

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