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作業日誌

7月23日
ヒマワリとコスモスの中の夏の作業
7月2日
梅雨の合間のジャガイモ掘り

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■7月23日 ヒマワリとコスモスの中の夏の作業

7月半ばを過ぎて、ようやく梅雨が明けました。夏本番です。23日、満を持して6組の家族が出動しました。
午前中うす曇、ラッキーです。ジャガイモ掘りからスタートします。今年最後のジャガイモ掘りとあって、みんな大張り切りです。道路の境に植えたコスモスが我々の背丈ほどに伸び、はやばやと開花しています。反対に1ヶ月前、青々した茎に薄紫の花をいっぱいに付けていたジャガイモの茎はすっかり枯れています。いやぁ、季節の移ろいの早いこと。植物たちの生命がいとおしく思えます。土中のジャガイモはというと、掘り残しのメイクイーン、男爵など5種とも上々の出来にして、病気も虫食いもなく、堂々として踊り出てきます。健気ですね、野菜たち。コスモスの花越しに写真を撮りつつ、ハッピーな気分に浸りました。

今年最後のジャガイモ掘り。病気も虫食いもなく。
コスモスの花が畑を彩る。真夏なのに秋の気配?
今年最後のジャガイモ掘り。病気も虫食いもなく。
コスモスの花が畑を彩る。真夏なのに秋の気配?

矢作武資君一家4人も畑にいます。ボクと一緒の3週間ぶりのジャガイモ掘りです。武資君あと1ヶ月で4歳。この子も実に健気です。車から降り、準備ができるや、「お仕事しなきゃ」と転がるようにジャガイモ畑へやってきたのです。なにしろ、農機具が好きです。土に突き刺さるスコップは格別なようです。「ボクもスコップで掘りたい」と若月おじさんや宮崎おじさんのところへやってきて、一緒にやりたがります。それでスコップに2人で片足ずつを乗せ、ジャガイモの周りの土を起こしてやると、もうご満悦。ジャガイモがニュッと顔を出すのを見て、小さな達成感を味わっているのが表情で分かります。
好奇心旺盛で何でもやりたがるし、大人同士の作業の話などもじーっと聞いているし、大人の鑑(鏡)みたいです。作業が終わると、スコップの柄にまたがり引っ張って歩いたり、クワをかついだり、と農機具を遊び道具にもしています。遊びの名手ですね、子供は。鎌だけはちょっと危ないけれど。

農機具もすぐに遊び道具にしてしまう武資君
詩人自らのオブジェに「かぼちゃ観覧車」と命名
農機具もすぐに遊び道具にしてしまう武資君
詩人自らのオブジェに「かぼちゃ観覧車」と命名

昼食です。みんな腹ペコ。畑の隅の梨の樹陰に集まり、おにぎりをパクつきます。冷やしておいたトマトとキュウリを、塩をふりかけ丸かじりします。みんな息もつかず食べます。これ以上のご馳走はありません。矢作裕子さんが作っておいたキュウリとシソの塩もみが極めつけ。シソの香りに酔いそうです。
武資君はというと・・・例によって椅子にあぐらをかいて座り、トマトとキュウリにひたすらかじりついています。塩をつけてはかじり、つけてはかじり。物も言いません。一点集中の美味堪能です。その合間に、オニギリを食べるという感じです。仕上げのゼリーのデザートで満々腹のようでした。しかし、2時間後のオヤツには、師匠永瀬さんがゆでて下さったトウモロコシを2本も平らげ、もう1つ、2Lのトマトもかじる健啖家ぶりでした。食う子は育つ!

草っ原に寝て白昼夢におぼれるファーマーの面々
トウモロコシを味わう武資君とファーマー土肥さん。
草っ原に寝て白昼夢におぼれるファーマーの面々
トウモロコシを味わう武資君とファーマー土肥さん。

昼食後。矢作家の怜子ちゃま(10ヶ月)がオネムになり、梨の樹陰でゴザに寝かされました。それにつられて大人たちも昼寝です。ゴロゴロと草っ原に寝る土日ファーマーの至福のひととき・・・裕子さん撮影の写真から大いびきが聞こえてきそうです。木陰からチラチラと漏れ落ちる陽射しを受け、ファーマーたちは白昼夢に浸ったのです。ところが、そのとき。軽自動車の音。奥の栗畑の草刈をしていた近所の農家の人が草っ原を通りかかったのです。トホホ! でも”目が覚めたら夕方だった”よりはマシか、という結末でした。
昼寝から醒めたあと、永瀬師匠の指導を仰ぎ、3月に仕込んだ味噌の「天地返し」を行いました。文字通り、樽詰めの味噌を上部から順に、別な樽の中へ詰め直すという作業です。手でこねて、掌に乗せた味噌を新しい樽の底へ打ち付けていきました。武資君も手伝ったのはいうまでもありません。この作業は、熟成を促進するためだそうで、「これで8月の土用が開ければ食べられる」という師匠の話でした。作業中に舐めてみましたが、なかなか良い風味。夏〜秋の楽しみが1つ増えました。

ハサミを上手に使ってキュウリを収穫する武資君
コンテナを下げて収穫に向かう頑張り屋の2人。
ハサミを上手に使ってキュウリを収穫する武資君
コンテナを下げて収穫に向かう頑張り屋の2人。

最後に、収穫です。トウモロコシ、サヤインゲン、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、カボチャと山のように取れました。それにシソ葉。毎年畑にイヤというほど自生する、家庭への”お土産の王様”で、柔らかそうな葉をみんな100枚も200枚も取りました。青いシソの匂いが鼻腔を満たし、すぐに刺身を連想させられます。小林さんが、「これで今晩は手巻き寿司だな」と。ンダ、ンダ。収穫でも武資君が活躍します。ボクと2人、サヤインゲンの支柱棚の下に入り、取りきれないほどのサヤを手で千切り続けました。カボチャはヒョウタン型のを全部で20個以上も取りました。集荷場所に運んでいくと、円形に並べ、「かぼちゃ観覧車だぁ」なんて言っています。空の籠を2人で下げて次の収穫に向かうと、「籠にウサギが入ったヨ」と。ンン? 「シカも入ったヨ」と。オウ、オウ。詩人・武資を新たに発見したボクでした。
タイムラグをつけて植えた、まだ20センチほどの成長途上の野菜を知っているか聞くと、「トウモロコシ」と即答するではありませんか。偉い、偉い! おじさんは心からそう言いながら、頭をなでてあげました。彼の天真爛漫な嬉しい顔といったらありませんでした。もう1つ、尋ねました。畑の周りに突っ立っている大人の背丈のヒマワリです。しかし、これはまだ知りません。そこで、ヒマワリ、ヒマワリ、ヒマワリって、何回もいうんだよ、すぐに覚えられるよ、って言ってあげました。そんなこんなの武資君、ありがとうの1日。帰途、車に乗るや爆睡した、と裕子さんのメールにありました。また、畑で会おうね、武資君。 

(7月26日 宮崎記す)

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■7月2日 梅雨の合間のジャガイモ掘り

2日、3日と続けて雨との天気予報でしたが、出動しました。畑への思いやみがたく、というところです。でも、その気持ちが通じたのでしょう、鎌倉をスタートする午前5時には、うっすらと晴れ間が覗いておりました。車に同乗の新会員の小島さん(我が家から30分の綾瀬市民)と軽口を言い合いながら一路八郷へ。JA八郷の農産物直売所で久しぶりに萩原組合長にお会いし、旧交を暖め小一時間も話し込みました。9時丁度に畑到着。早くも麻賀リーダーがトマトの芽欠き作業中でした。嬉しいなあ。1ヶ月ぶりの再会もまた嬉し。見渡せば畑は一面の緑。顔を上げると梅雨どきと思えない涼風が流れ、一気に爽やか気分です。ほどなくほかに4組が到着。埼玉の矢作さん一家が友人2家族を同行されて、なんと16人が勢ぞろいです。うち5人が子供。矢作武資くん3歳、妹怜子ちゃん10ヶ月。大畠兄弟が小学6年と4年。今井お嬢が小学2年。子供たちはもうそこらじゅうを駆け回っています。よほど嬉しいんですね、緑の畑が。子供っていいなあ。

ゲストの子供たちのジャガイモ掘り
おおぜいでのジャガイモ堀りは楽しい
ゲストの子供たちのジャガイモ掘り
おおぜいでのジャガイモ堀りは楽しい

児等の声 梅雨の黒雲 吹き飛ばす 隆行
今月の「白魚火」誌の投稿句が早くも1句できました。いや、ホントに黒雲がさささっと流れて消えました。
さあこれで作業のピッチが上がります。トマトの次は、サヤインゲンの支柱の補強、キュウリとゴーヤにツルを這わせるネット張り、トウモロコシにカラス脅しの裏表・金銀のテープの張り巡らし、ネギの移植、小豆の種まき、花豆の種まきの作業を、二手三手に分かれて。といってもボクは、もっぱら草取りです。紫蘇畑の草を抜くと、紫蘇を欠いてしまったのでしょう、プーンと青臭いあの匂いがし、一瞬むせました。気持ちよくて、これが草取りの醍醐味ゾ、なんて思ったものです。ナスタチウムはオレンジ色の花を付けて畑を彩っていますが、草に負けそうです。根元をよく見て草を抜きます。草取り11年。うまいもンですよ。ヤーコンの苗が移植から1〜2か月経って、大きいのは背丈20cmにも伸びて大きな葉っぱを茂らせています。と思いきや、雑草も同じように伸びていて、こちらの草取りは大変。長さ20m20列のヤーコン畑を午前午後にわたって、攻めに攻めました。雑草は10種類ぐらいあって、柳宗民氏の「雑草ノオト」であらかた覚えたつもりですが、忘れないでいたのはコニシキソウという覚えやすい名前1種だけ。草の名前ぐらい反芻しながら作業したいと思っているのですが、この日は思い出そうという気持ちの余裕なく、ただ必死に1歩1歩前進したのでした。まだ、隆行さん、修業が足りません。

スコップに全体重をかけて...ガンバレ武資くん
近所のワンちゃん「チビ」もイモ掘りに参加
スコップに全体重をかけて...ガンバレ武資くん
近所のワンちゃん「チビ」もイモ掘りに参加

朝のうち涼風もありましたが、グングン気温が上がり、全身汗みどろ。拭いても拭いても汗が噴出します。
とやこうと、万一の雨に備え午前中にジャガイモを掘っておくことにし、一斉にジャガイモ畑へ移動しました。ワセシロ、キタアカリなどの早生種の茎が枯れ掘りごろを告げています。子供たちが「掘りたい、掘りたい」の大合唱です。スコップをもたせてやります。「茎から遠まわしに掘るんだよ」と教えますが、つい根元にスコップを入れ、「あっつ、切っちゃったあ」の叫びがあちこちから。武資くんも挑みます。背丈の2倍もある柄長のスコップを持て余し気味です。ボクが手伝い、「両足で乗って、揺すってみよう」と導きます。わずかに先が土に食い込んだみたい。「ハイ、倒すよー」とスコップを傾げると、わずかにジャガイモが顔を出します。
「出たあ、出たあ」。玉に飛びつくように、手でかき出します。必死です。目が輝きます。身体じゅうに喜びが満ちているのが分かります。彼らが「出たあ」という感覚であること、そして、見えない土中から「実ったもの」を掘るという行為がそんなにも彼らの魂をゆさぶること、それを見せてもらいました。ボクにとっては結構新しい発見でした。1時間ばかり掘って、一輪車に3杯ぐらいになったでしょうか。収量ですか?1株に7、8個といったところ。まあまあでしょうか。

キュウリ・トマトの丸かじりに舌鼓を打つゲスト。
梨の木下の昼食。梅雨に珍しく涼風が吹き抜けて。
キュウリ・トマトの丸かじりに舌鼓を打つゲスト。
梨の木下の昼食。梅雨に珍しく涼風が吹き抜けて。

12時を過ぎました。弁当です。畑の入口の「土日農業研究会」の看板のある、梨の木下の木陰に矢作さんがアウトドア・テーブルを出し、ビーチパラソルを開き早くも準備ができています。もぎたてのキュウリとシソを刻んだ、おかずの塩もみキュウリも出来ています。オニギリをパクつきます。塩もみキュウリと若月さん差し入れのラッキョウの酢漬けが、食欲をかきたてます。これでもう十分、ほかは要りません。おっと、トマトとキュウリが、丸ごと冷やしてあります。塩をまぶし、これもみんなでパクつきます。ヒビ割れしたトマトが敬遠され、1つ取り残されました。もったいないボクが、ソフトボール大のヤツにかぶりつきます。果汁がこぼれます。昔食べたもっと青臭かったトマトの香りが、ほのかにします。幸せ満点です。矢作さんら埼玉の3家族は、「ヒッポ・ファミリー・クラブ」という多国語を子供のときから親子で話す会に入っているというので、それぞれ得意の外国語で自己紹介してもらいました。小学生3人がロシア語とフランス語を流暢に話し、みんなを驚かせました。

ラズベリーを収穫する、満面幸せの武資くん
梅ノ木に登って梅を落とす子供たちも幸せそう
ラズベリーを収穫する、満面幸せの武資くん
梅ノ木に登って梅を落とす子供たちも幸せそう

3時ごろ急に雲行きが怪しくなり、大急ぎでジャガイモを片付けることに。会員の人数分を分配し、ゲスト2家族にもお土産として差し上げました。お母さんたちが草取りボランティアをして下さったお礼です。ほかに、ラッキョウ、サヤインゲン、キュウリ、ナス、トウモロコシもゲストともども平等に分けました。ゲストには永瀬師匠のお許しで畑の脇の梅を取ってもらい、またオオバを好きなだけ取ってもらい、この日の日程を終了。
5時、小屋を片付け、永瀬師匠の家の前の道路と昼食場の掃除をして店仕舞いです。最後、広瀬さんのお許しで、近くの竹林に行き、真竹のタケノコをみんな一抱えも取って、幸せの仕上げをしました。

長いレポートの終わりに、さらにどうしても話したいことが2つあります。1つ。武資くんのことです。ジャガイモ堀りで、スコップを持て余しているので、お母さんが「お父さんに手伝ってもらったら」と言うと、「いい、いい。一人でやる」とびしっと言いました。あと2ヶ月で4歳というときの一言。武資くん、ここに書いておいてあげるね。2つ目。われらが最若手、小島さんのこと。ヤーコンの草取り中、しゃがんで草取りしながら「ボク眠っていました」と店仕舞いのあと筆者に告白。いや立派立派。悠揚迫らず、の典型ではありませんか。こういう生き方をしたいもンです。この日午前1時就寝、4時起きだったとはいえ。どうぞこれからもマイペースで、悠々の土日ファーマーでいて下さい。豊かな夏の畑が、今日も息づいているはずです。1週間もすると、身体ムズムズのボクです。ムズムズなのですが、このところ忙しく、月イチのペースの体たらく。
メンバー諸姉諸兄、どうぞ畑へ。再会、楽しみにしております。

(7月5日 宮崎記す)

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