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作業日誌

8月20日
汗みずくの除草もまた楽し

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■8月20日 汗みずくの除草もまた楽し

残暑強い20日。4人が出動、炎天と格闘しながら「夏の作業」をこなしました。ン〜ン、気持ち良かった。
ボクは久しぶりの出動でした。遠足気分で早起き・早出したので、7時に個人区の畑に到着しました。早速草取りです。前回の出動の際サボタージュしていた里芋の1列だけ、予想していた通りに草ぼうぼうでした。芋を傷つけないよう注意深く、草をより分け刈り取っていきます。コオロギがひょこっと現われ、ひゅいと逃げていきました。秋の虫たちが揃って出てくるのももう少しかなと思うと、急に蝉の声が耳いっぱいに。
駄句を、1つ。......夏蝉とコオロギ秋を急ぎをり 隆行
10分もすると汗が噴き出します。麦藁帽子を取り、眼鏡を外し、タオルで顔と頭の汗を拭きます。ウイー。気持ちいいー。続けて2度3度と撫で回します。気持ちいいー。PET ボトルの氷水を飲み、リセット終了。
駄句を、も1つ。......麦藁帽子とるや一瞬夏涼し 隆行
草の根元を良く見ると、土が黒々としています。そうなんです。これは水分のせい。草には朝露がたっぷり付いているんですよ。空中の湿気が夜の冷え込みで露になり、そこらじゅうの物体に付くんです。このためどんなに干天が続いても、湿度があれば、植物は朝露で結構と水分を得るんです。根元に敷き藁でも敷いてやれば蒸散もまた結構と抑えられ、植物は大喜びなんです。刈り取った草を里芋の根元に敷いてやったのはいうまでもありません。頻繁にリセットを繰り返し、草と向かい合うこと1時間半、やっとクリアしました。
駄句を、さらに1つ。......夏草の朝露を得て茂りたり 隆行

土日農業研究会の看板の文字も草で覆われて。
サツマイモの除草とツル返しの作業。
土日農業研究会の看板の文字も草で覆われて。
サツマイモの除草とツル返しの作業。

8時半から集合の 9時までのつもりで、メインの新畑近くの木陰に行って、車中で冷房をかけ朝寝しました。気が付くと、小林さん、若月さんがきてファームの玄関前(土日農業研究会の看板を建てている)の草刈りを始めていました。「やあ、久しぶり」。1ヶ月ぶりの再会が嬉しくなります。そうこうするうち宮本さんも到着。出動予定の4人が揃いました。新畑は、作物も雑草も夏真っ盛り。みんなで作業手順を話し合って、護送船団方式で、草取りを集中してやることにしました。いつもは思い思いの作業がボクらの流儀ですが、炎天と戦うには船団でまとまったほうが良いのです。能率が上がるような気分になるのです。まず、ネギをターゲットに選びました。根を張った丈夫このうえない雑草どもが完全にネギを覆い隠しています。雑草をかき分けかき分け、鎌で掘り取ります。消滅しそうなものもあります。「ごめんなあ。ごめんなあ」と謝り「頑張れよお、大きくなってくれよお」と激励します。
太陽が高く上り、汗がボタボタと落ちます。みんなPET ボトルの氷水を傍において給水し、脱水・熱射を避けながら進みます。山の神のハナシ、釣りのハナシ、今年つけた梅干のハナシ、小泉選挙のハナシなどを気晴らしバージョンでします。ほかにもいっぱい話しましたが、いま書くと覚えていません。炎天の話しはやはり陽炎のごとしです。かくして2時間半。ネギ6列の除草がやっと終わり、12時前、早飯にしました。

昼食場所は朝、草刈したファームの玄関前、梨の木陰。冷やしておいたトマトにかぶりつきます。旨い!!ちょっぴり青臭いトマトの匂い。甘く深みのあるトマトの味。歯ごたえのある上等なトマトの食感。不足なこと何もなし(形容する語彙不足以外)と断言できる美味しさです。これだけのために畑へきている、と言ってもいいくらいです。トマトを主食に、おにぎりをおかずに食べました。デザートは黄色のミニスイカ。何もいうことなし。そして...後はなにやら、だれかの閑言が少し。みなすーっと午睡となりました。
駄句を、また1つ。......夏樹陰昼食閑言午睡せり 隆行

梨の樹陰は昼食・昼寝の場所(7/23のショット)。
草取りが済んだあとの新畑(正面ゴマなどが順調)。
梨の樹陰は昼食・昼寝の場所(7/23のショット)。
草取りが済んだあとの新畑(正面ゴマなどが順調)。

若月さんのポータブルラジオから、甲子園の駒大苫小牧高校vs京都外大西高校の決勝戦が小さな音で聞こえ出し、目が覚めました。1時過ぎです。30分ほどの午睡の、なんと気持ち良かったこと!! ハッピー・ハッピア・ハッピストです。ハッピストな気持ちで、「でも軽作業の収穫でもしようか」ということになり午後の作業をすることにしました。3時ごろまで寝てれば良いのに。読者諸姉諸兄はそうお思いでしょうが、土日ファーマーのそこが根性なのです、ア、貧乏根性かも。ゴーヤ、キュウリは葉っぱの棚の中、トマトはハウスの中で、ほかのナス、ピーマン、シシトウ、オクラは麦藁帽子の下で、炎天をかわして取りました。小林さんが草刈機を駆り、あちこちの草をなぎ倒しました。2反歩の畑が見違えるばかりの草取り効果です。この日の予定の作業を終わり、梨の木の樹陰で裸になり休息を取ると、ラジオから、「栴檀林〜栴檀林...」の駒大苫小牧の優勝歌が流れてきました。去年から今年にかけ、北原白秋作詩・山田耕筰作曲の駒大の校歌を何度聞いたことでしょう。詩がいいですね、〜〜ハイ、これで夏も終わり。樹陰を秋の風が流れました。

師匠・永瀬さん(左)と歓談する土日ファーマー。
同左。
師匠・永瀬さん(左)と歓談する土日ファーマー。
同左。

最後の1時間。師匠永瀬さんの門口の下の畑の草ぼうぼうに、護送船団方式で挑みました。ナスタチウムのキレイな花が顔をのぞかせていましたが、詮方なく、草と一緒にバッサリやってしまいました。午後5時。梨の出荷作業を終わった永瀬さんが顔を出されました。1年間の苦労がお金になるこの時期、永瀬さんの表情は生気に満ちていました。これがお百姓さんの喜びだろうと思いました。ジューシーで甘い世界一の梨を、「これは規格外だから」とプレゼントしていただき、またまたハッピスト。有終の美?!を飾った夏の1日でした。ファームの玄関前を掃き掃除したり、農機具を片付けたりして6時に閉店したのでした。東の空低く、大きな橙色のお月様が浮かんでいました。梨かじる月は東に日は西に。

(8月22日 宮崎記す)

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