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作業日誌

9月10日
天高くファーマー肥える秋

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■ 9月10日 天高くファーマー肥える秋

秋の気配が漂いだした9月最初の出動です。同行する相方の到着が遅れ、予定を1時間ばかり過ぎて午前6時に家を出ました。この時間にしては車が少なく、スイスイと常磐道へ乗り、8時半に八郷町に着きました。道中ながめる田圃は黄色く色づき、コンバインで稲刈りするお百姓さんの姿も目につきました。
秋です−−。早いですね、季節の移ろいは。車の窓から吹き込む風もちょっとヒンヤリしている感じです。
筑波の緑の山並も、原色の夏色から優しい秋色に変わりつつあるようです。畑には、9時半ごろまでに8人が勢揃いしました。白浜から魚をもってかけつけた中本さんが昼前に到着。都合9人が顔を揃えたのでした。

2人で寒冷紗をかけます
畑もなにやら優しい秋の装いです
2人で寒冷紗をかけます
畑もなにやら優しい秋の装いです

畑は、7〜8月の”声掛け合い”出動が利き、草もそれほど目立たず、まずまずの状態です。8月末の台風の影響もほとんどなく、倒れかかったというゴーヤの棚も修復が利き、まだまだ実を成らす勢いです。ハウスの中のトマトももうしばらく大丈夫そうです。ナス、ピーマン、オクラ、トウモロコシもまだOK。小豆、ゴマなどが秋の実りへ向け、花を咲かせるなど順調に育っています。サトイモ、サツマイモなどの根菜類もしかり。畑の写真を撮ろうとファインダーをのぞくと、畑も秋の装いに変わりつつあるのが分ります。前作のあとを耕し、石灰や堆肥を撒いて土作りをしたあと順次、秋野菜を植えるのがこの時期の作業です。
この日は、キャベツの苗を定植したり、小松菜、シュンギク、ルッコラなどの種をまいたりしました。キャベツの畦には、まず半円形の支柱をし、その上から極細メッシュ地の被覆材「寒冷紗」をかけました。虫の侵入を防ぐためです。無農薬栽培を可能ならしめる手法で、効果は抜群です。二人一組になり、作業を進めます。一段落したら、一斉に草取りです。かたわらで若月さんが草刈機械のエンジンをかけます。

作業がぼんぼん進みます。畑を秋風がわたり、爽やかな気分です。それでも陽光は強く、女性二人はひさしの広い帽子をかぶったり、タオルで姉さんかぶりをしています。汗が噴き出し、水を補給しないではおれらません。秋風と残暑という取り合わせ。この季節の移ろいを、五感を満開にして受け止めました。
12時ぴったり。バーベキューの開始です。BBQセットにあらかじめおこしておいた炭火もカンカン、白浜から着いたサンマ、アジ、イカを土肥さんとボクとで手早く下ごしらえし、サザエと一緒に火にかけます。豪華な海の幸が、鉄板の上でジュウジュウと焼けます。カツオの刺身もあります。ほかにトンカツ店を営む小島さん差し入れの豚肉も並びます。
畑から取ったばかりのカボチャ、ピーマン、トウモロコシも。どれを食べようかと、ついまわし箸になってしまいます。丸太椅子に座るヒマもなく、突っ立ったまんまの文字通りの立食の宴です。カンカン照りなど気にするヒマもありません。次々と食材を並べて焼き、貪ること1時間。満腹です。そこへ料理上手の2人が、アジのたたきを拵えてくると、食欲の2段スイッチが入り、みんなで舌鼓をうちました。仕上げは、師匠・永瀬さん差し入れのソフトボール大のナシ。水につけておいた、冷たく甘ーいナシがなによりのお口治しとなり、宴を打ち上げました。畑のわきのナシの木の下の樹陰へ移動し、食後の語らいとなり・・・いや、そのいとまもなく草むらで昼寝と相成ったのでした。

座るヒマなく豪華な魚肉を貪ります
同左
座るヒマなく豪華な魚肉を貪ります
同左

ボクは昼寝というわけにいかず、八郷から30分ほど離れた内原町(4月から水戸市と合併)の「日本農業実践学園」(社団法人)へ取材に行きました。雑誌の連載「ウイークエンド農業」の次号の記事のためです。
目指すは、同学園でもう10年も続いている農水省の「就農準備校」受講生の農業研修です。1年を3期に分け、期ごとに6回の授業が行われているのですが、最近の受講生の様子を見てみよう・・・というわけです。
学園長の加藤達人さんは、満州開拓の農業指導者育成のためにこの学園を大正14年に開いた国士・加藤完治のお孫さんで、食育や有機農業運動を通してご縁を得ている方です。実は連載のゴールが近づいているので一度学園も取材しておかなければ、という狙いもあっての取材でした。30人ほどの受講生は中高年者が主でそのお一人、夫婦で参加している茨城県利根町のSさんから話を聞けました。先々1〜2年内に就農したい、と目を輝かせていました。ほかのメンバーもかなり具体的に就農を考えていることも分りました。
ウイークエンド農業を一気に飛び越える、農業の流れができつつあるのかもしれません。この取材の結果は「月刊消費者11月号」に書くつもりです。学園をぜひ見てみたいと同行した、好奇心旺盛の中本さんはボク以上に刺激を受けたところが多いらしく、白浜でも何か農業を学ぶ拠点ができないかなあ、と帰りの車中でアイデアを語り続けたほどでした。何か生まれるかもしれません。以上、畑の内職の一コマでした。

5時ちょうどに八郷へ舞い戻りました。作業はほぼ大詰め。若月さんが畑の真ん中で耕運機を押し、ほかのメンバーで農機具の片付け、収穫物の分配の仕事をしていました。みんなドロンコで汗まみれ。疲れているはずなのに、心底満足そうな表情です。BBQセットを洗い、ボクが収納場所のビニールハウスへ運び込んでおしまい。夕暮れどきの6時、「お疲れさまあ」の声が飛び交い、閉店したのでした。

小豆の花(黄色)が咲きはじめました
ゴマが1mにも成長し、白い花が真っ盛りです
小豆の花(黄色)が咲きはじめました
ゴマが1mにも成長し、白い花が真っ盛りです

(9月11日 宮崎記す)

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