トップページへ 土日農業研究会ページへ 農業情報ページへ 作業日誌ページ 食情報ページへ いなか e-hanashiページへ 会員募集ページへ
 ブログへ | お知らせページへ | サイトマップへリンク集へ | NPO「食と農」へ

作業日誌

10月15日
爽やかな秋の収穫作業とNHKの取材
10月 1日・2日
ナイターで挑んだ05年の稲刈り

作業日誌もくじページへ

 
■ 10月15日 爽やかな秋の収穫作業とNHKの取材

NHKのある番組に「土日農業研究会」の活動が取り上げられることになり、15日はその撮影でした。秋の収穫たけなわという、絶好のタイミングでの撮影で、8家族12人が出動、普段通りの「楽しむ農業」を披露しました。12人の中には、矢作家の武資くんと怜子ちゃまも。絵になるモデルとあって、2人は大モテでした。撮影は2時間半にも及びました。番組での大幅カットは覚悟していますが、みんなはどう登場するのでしょうか?放映日は・・・・・まだ公表できません。NHKで近々予告スポットが入るでしょうから、そのあとでお知らせします。

この日は、八郷地方(合併により現在石岡市宇治会)の天気予報は、曇〜雨〜曇。1週間心配し続けましたが、さいわい午前中は晴れ間ののぞく秋日和でした。みんなで祈ったテルテル念力がモノをいったのでしょう。NHKクルーはディレクター、カメラマン、録音スタッフなど計4人。旧八郷町役場へ迎えに行き、9時に畑到着。顔合わせのあと、取材の狙いなどの説明を受け、早速撮影開始です。

カメラと録音機を前にヤーコンの収穫
大豊作!とカメラにヤーコンをかざす
カメラと録音機を前にヤーコンの収穫
大豊作!とカメラにヤーコンをかざす

まずヤーコンの収穫からスタートします。2メートルにも伸びた茎葉を刈り倒し、根元にスコップを入れます。根元の茎が張り、ヤーコン芋が豊作なことが分かります。遠回しに慎重に掘ります。次に2、3人がかりで株を引っぱります。大きなイモが10個も付いた株が抜け出ます。カメラが近寄ってきて、イモをアップで撮ります。「でっけぇ、でっけぇ」「よーし、大豊作だ」。一斉に歓声があがります。カメラがイモを抱えた麻賀さんや、若月さんを捕らえます。楽しげな、嬉しげな、自慢げな笑顔を、カメラさんがファインダーで覗き、満足しているのが、いやカメラさん自信高揚し興奮し、そして満足しているのが分かります。みんなの輪の上に集音機が移動して来て、みんなの声を拾っています。録音さんも気持ちを弾ませ録音機を動かしています。

もちろんディレクターさんもそうで、感想を求める声がうわずっています。何といっても、最高に素敵な収穫風景ですから。2メートルにも伸びた、みずみずしいヤーコンを背景に弾ける土日ファーマーの笑顔は、番組を視聴する人々の心を捉えて離さないことでしょう。ボクはそう確信して、じっと撮影風景を眺めておりました。「収穫までどのくらい?」というディレクターの質問に、麻賀さんが「苗を植えてから5カ月」と答えました。番組を見る視聴者が、農業の「育てる意味」を感じ取ってくれるヒトコマになれば、と思ったものでした。「オーケイ」。ディレクターさんの一際大きい掛け声が響きました。

ゆったりと自由に働く土日ファーマーたち
秋まっさかりを象徴する収穫物の一部
ゆったりと自由に働く土日ファーマーたち
秋まっさかりを象徴する収穫物の一部

続いてダイコン、カブ、ゴボウ、小松菜、からし菜、ルッコラなどを収穫しました。ちょっと恥ずかしがり屋・気むずかし屋の武資くんも少し雰囲気に慣れ、カブの収穫をやりかけます。これらの作業が大好きなのです。が、眼前に迫るカメラのアップが気になり、お母さんの後ろに引っ込んでしまいます。サービス精神などまだ身につくはずもない4歳くん、それでいいんだよ。ってことで、カメラは怜子ちゃまに向かいます。やっと1歳になったばかりちゃん、頑張れ。お兄ちゃんに代わって、可愛い笑顔を見せてあげてね。
最後はサツマイモの収穫。これも大好きな武資くん。「ミヤザキさん」と一緒に引っこ抜くところを撮ろうとしましたが、やっぱりダメでした。ザンネーン。でも、それでいいんだよ、マイペースで。おじさんたちも、みんながマイペースなんだから。サツマイモが終わり、昼食までに少し間があるというので、みんな思い思いに畑に散らばって、赤く色づいた伏見甘長トウガラシやピーマンなどの収穫やら、草取りやら、さらにはひと休みしてタバコを吸ったりしています。秋らしい、しっとりした緑の畑の全景をカメラが、地主永瀬さんの屋敷の塀の上から撮っていました。

ハウスの中で熱々のトン汁に舌鼓を打つ
NHK撮影クルーも一緒に昼食を楽しむ
ハウスの中で熱々のトン汁に舌鼓を打つ
NHK撮影クルーも一緒に昼食を楽しむ

12時。さあ昼食というとき、ポツポツ落ちてきました。野戦料理で出来上がったトン汁の鍋、焼き芋を焼いたバーベキューセット、丸太椅子を近くのビニールハウスへ運びこみました。ちょうどハウスは、トマトの収穫を終わり、空きスペースでしたから。NHKクルーへもおにぎりを分け合い、熱々のトン汁に舌鼓を打ちました。若月さんがつくってもってきたというヤーコン料理が、3種類もたっぷりとみんなの間を回りました。シンプルなキムチ漬け、イカ・シメジ・ヤーコンの煮物、シイタケ・エノキダケ・ヤーコンの炒め物と、手の込んだ物ばかり。料理自慢の若月さんらしいアイデア料理で、甲乙つけがたい良いお味でした。感謝×1万回。

一段落したところで、ディレクターさんから、参加者全員にストラップ付きのアウトドア・ボールベンなどがプレゼントされました。武資くんと怜子ちゃまには、NHKキャラクターの「どーもくん」の絵入のナプキンも。
開けてみた武資くんの嬉しそうな笑顔といったらありませんでした。「カブを抜く前にあげれば良かったのに」の声が上がり、大爆笑でした。

武資くんその1。海草エキスを噴霧する
その2。焼き芋用のサツマイモを掘り上げる
武資くんその1。海草エキスを噴霧する
その2。焼き芋用のサツマイモを掘り上げる

武資くんといえば、昼食時や休憩時に、長靴を脱ぎ裸足になり、丸太椅子によじ登って悠然とアグラをかいて座り、マイペースの時間を過ごします。悠然たる雰囲気、お父さんの真似でしょうかね? そして気が向いたところで「お仕事、お仕事」とひとりごちたりします。同じ姿勢で、この日は「今日はいい日だった」とつぶやいたのをわが妻が聞いていたそうです。どーもくんのせいではないはずです。彼にとって、この日の午前中の作業が、カメラがちょっと気障りではあっても、全体として「わが気分に合っていて、充実した半日だった」という感覚であったろうとボクには思えるのです。1日に何回かボクに見せる100万$の笑顔に魅せられ、彼にしっかり寄り添って付き合おうと思っているボクには、最近、彼の心が読めるようになったのです。

その3。丸太椅子で一休み(アシャカしゃんと)
その4。柿の実を切り取る(ミヤザキしゃんと)
その3。丸太椅子で一休み(アシャカしゃんと)
その4。柿の実を切り取る(ミヤザキしゃんと)

午後、雨が上がり、いつものように夕方まで畑仕事をやりました。終わったところで、永瀬さんにお願いして、庭の柿の実を取らせていただくことにし、彼を抱っこして、5つ6つハサミで切り取らせました。高所恐怖症ぎみではありますが、ハサミには慣れていて上手に切り取りました。胸に柿を抱いて引き上げる彼を見て、きっとまた「今日はいい日だった」と思っているに違いないと、ボクは確信しました。

(10月17日 宮崎記す)

≪ページトップへ


 
■ 10月1日・2日 ナイターで挑んだ05年の稲刈り

土日農業最大の作業が稲刈りです。10月1日。その気構えが天に届いたかのように、絶好の作業日和となりました。満を持して待っていた21人が三々五々と集まりました。矢作家の4人もそろいました。東京の小泉ファームで時折、農作業を楽しんでいるという森田さん、中野さんの2人の主婦援農者も小泉夫妻と一緒にやってきました。
参加者数を何度か数えていて、気がついたことがありました。なんと今年は参加者の半数が女性なのでした!
玉里村の土日ファームの田圃には、黄金の稲穂が揺れています。この実りの光景を見ると、なんとも豊かな嬉しい気持ちになります。児玉さん、田中さんの姉妹が、新しい鎌を手にしています。ボクも援農者のために3本の新しい鎌を買い揃えておきましたが、稲刈りって、得もいえぬ新しい気持ちを惹き起こしてくれるのです。

稲刈り全景(黄金の稲の輝きを慈しみつつ)
稲刈り全景(黄金の稲の輝きを慈しみつつ)
稲刈り全景(4歳児もまざり長閑に楽しく)

作業は、<1>稲を刈ること(手刈りとバインダーという稲刈り機械の両方で)。<2>脱穀機で穂先の籾を落とす脱穀をすること。<3>籾すりをし籾殻をとって玄米にすること(竹村さんに委託)の3つ。みんな思い思いに、田圃じゅうに散らばり、稲刈り〜脱穀の作業をしました。矢作家の、4歳になった武資くんも、野菜バサミで稲刈りをしたり、脱穀機へ稲束を運んだりと、よく働きます。満1歳になったばかりの怜子ちゃんも、お母さんと一緒に落穂を拾って働いているつもりのようです。霞ヶ浦を渡ってくる風が頬をなでます。長閑なり黄金の稲田!です。

昼過ぎ、近くの地区集会場をお借りし、昼食をとることにしました。女性軍が作った具たっぷりの味噌汁が配られ、食欲をそそります。小泉さんからオクラの糠漬け、麻賀さんから栗の渋皮煮などの手作り食が回ってきます。ひとしきり食談義に花を咲かせ、早々に午後の作業に取りかかることにしました。例年のごとく、地元仲よし農家の西村さんからレンコンが大量に差し入れられ、みんなにお土産として配られました。それに、今年は栗がプラスされました。その栗は、今年あいにくの台風で一斉栗拾いができなかったため、この日の午前中、若月さんが八郷へ行って大袋いっぱい拾ってきたという心づくしのものでした。なんとも嬉しい栗です。

野菜バサミで稲刈りもした武資くん
楽しそうに働く矢作家の4人
野菜バサミで稲刈りもした武資くん
楽しそうに働く矢作家の4人

この日は、日中ガンガン気温が上がり30度を越す真夏日となりました。それに負けまいと、午後みんなのピッチも上がりました。脱穀機も、午後1台が加わって2台となり(近所の斉藤さんと上田さんから借用)、いよいよ拍車がかかりました。ところが、日が落ち始めたころ1台が故障し予定が狂いました。6時過ぎあたりから車3台を農道に並べ、ライトを点け、ナイターで終わらそうと急いだせいでしょう、丈夫な脱穀機までがオーバーヒート。
午後7時。みんなで相談し、翌日数人が出動できるというので、残りを翌日回しにし閉店しました。それで、竹村さん宅の「離れ」に若月さんとボクら夫婦計3人が泊めてもらい、翌日、小林さんと木村さんが出て、計5人で残りの脱穀をクリアしました。4時間がかりのゆったりとした作業だったため、こぎ藁に籾のこぎ落しがほとんど付着していないキレイな脱穀でした。かくして05年の稲刈りは、思い出深い1ページとなりました。

栗の渋皮煮も差し入れられた団欒の昼食
元気百倍のオヤツのひと時
栗の渋皮煮も差し入れられた団欒の昼食
元気百倍のオヤツのひと時

籾は、2日にわたって竹村さん宅へ運び、乾燥機・籾摺り機にかけ処理してもらいました。結果、玄米で12俵と27kgという収量でした。2反分なので、これを反収に直すと、ざっと6俵と15kg。昨年の7俵と30kgと比べ、1俵以上もの減収となりました。プロの竹村さんも、今年は1俵減だったそうですが、土日ファーマーとしては、何が原因だったか確と検証すべき課題が残りました。草取りや追肥などに、反省点が思い当たります。
来年こそ−−。今年もまた同じ台詞を言うことになりましたが、援農の方々をはじめ、みなさまご苦労様でした。
昼食時に、援農の中野さんが口にした一言が頭に残っています。「田圃の紫色の花がキレイでした」というその花こそ、稲の栄養を盗んでごっそり繁茂したオモダカソウです。雑草なのに、花は本当にキレイ。
でも、来年は、絶対に咲かせないからな!

稲刈り機バインダーでバッサリと。
2日目の脱穀作業を阿吽の呼吸で。
稲刈り機バインダーでバッサリと。
2日目の脱穀作業を阿吽の呼吸で。
全員集合(光と影のコントラストを狙った?)
全員集合(2家族5人が帰ったあとの撮影)
全員集合(光と影のコントラストを狙った?)
全員集合(2家族5人が帰ったあとの撮影)

(10月10日 宮崎記す)

≪ページトップへ


Copyright (C) 2004-2011, All rights reserved by Takanori Miyazaki.