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作業日誌

11月19日
サトイモ・サツマイモなどの大収穫
11月 6日
霜月のサツマイモ掘り

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■ 11月19日 サトイモ・サツマイモなどの大収穫

11月19日。秋らしい良く晴れた、風も冷たく感じる晩秋の1日。7家族8人が出動し、秋の大収穫をしました。
8時半ごろ小島さんとボクの神奈川組がほぼ同時に到着。青空調理場を作るため丸太椅子の上にベニヤ板を置いたり、焼き芋用の火器セットを据えたり、お昼の準備をしました。火器に火を起こし、薬缶をかけ、スタンバイ完了です。三々五々仲間が集まり、作業を始めました。里芋掘りからスタートします。今年植え付けた5、60株は立派に成長、つい半月前まで大きく茎を伸ばしていましたが、このところの冷え込みで、茎が全部しんなりと霜枯れしています。その茎の周りに、みんなでザックザックとスコップを入れて掘ります。大きな芋塊がもっこり出てきます。親芋にいっぱい小芋が付いて大豊作。おいしそうです。試し掘りして今年の味を確かめていますから、間違いありません。蒸かし芋にして、皮をツルッと剥いて、生醤油で・・・とたちまち食べるシーンが頭をよぎります。して、唾も・・・。
こののち、小芋をもぎ取り、耕作者の人数分を分けましたが、1人5、6kgずつになったでしょうか。

空豆の苗植え。今年に続く大豊作を祈って。
サトイモの小芋を取って、人数分に分ける。
空豆の苗植え。今年に続く大豊作を祈って。
サトイモの小芋を取って、人数分に分ける。

次に、空豆の苗の定植です。5cmばかりに伸びた苗がざっと100株。ポットからそっと取り出し、先週準備した畦に、穴を掘りながら苗を植えていきます。苗の周りに、防風・防虫のため、高さ10cmほどの紙の輪っか(市販)を作り、苗を囲むように立ててやります。後日、この輪っかの上に畦いっぱいに笹の葉を立てかけてやり、冬越しさせます。100株の苗は、麻賀リーダーが自宅ベランダで1カ月がかりで作ったもの。みんなで麻賀リーダーに感謝します。

永瀬師匠がトラクター(奥)で応援下さる。
われらの耕運機の手入れをする若月さん。
永瀬師匠がトラクター(奥)で応援下さる。
われらの耕運機の手入れをする若月さん。

晩秋の畑は、静かです。陽射しも柔らかだし、気持ちが落ち着きます。ナス、シシトウ、モロヘイヤ、ホウキグサなどが冬枯れています。それを引き抜き、広くなった畑に耕運機をかけようとしていると、師匠・永瀬さんが顔を出し、「手伝うよ」と言って、小型トラクターを畑に乗り入れて下さいました。あっという間に耕運が進み、黒々とした地肌の畑になりました。その間に、われわれの手押し耕運機のロータリーの刃を新しく取り替える作業を、若月さんがやっていました。

おっと、誰かが冬枯れの茎に火をつけ、燃やし始めたようです。もうもうと煙が立ち火が燃え盛ります。ボクは、この光景が大好きです。遠火でも、心温まる気がするのです。けがれまで燃やし去ってくれそうですし、日ごろの疲れを火の力でもみほぐしてくれそうだからです。ゴマの枯れ茎をくべると、ブオーッと炎が上がり、「元気」に火をつけてくれるようです。そういえば、ゴマと大豆の枯れ茎が風呂の焚き付けに最高だった、と子供時分の風呂焚き経験を思い出しました。なんだか感傷をさそう晩秋の畑です。

枯れ茎が燃え盛る中、昼食の豚汁をつくる。
筑波颪の中、仕込んだ味噌を樽開きする。
枯れ茎が燃え盛る中、昼食の豚汁をつくる。
筑波颪の中、仕込んだ味噌を樽開きする。

煙に包まれ、畑の脇の青空調理場で、妻が豚汁をつくり始めています。火器にも火がつき、鉄板の上の薬缶でお湯が沸き、焼き芋が焼け始めています。料理手伝いのボクがこの横で、今年2月に仕込んだ味噌の樽開きをしました。豚汁の味噌に使おうというわけです。夏に味見したときはまだ生っぽかった味噌は、風味豊かなコクのある、甘味まで感じさせる逸品に熟成していました。これをみんなに配るため、秤で計り1kgずつ袋に詰めました。作業中のみんなが香りに誘われ、美味しい役目のボクの仕事を覗きにきました。ご想像あれかし。全部で46袋出来ました。12時半。この味噌を豚汁に入れ、味噌・野菜自前の豚汁が出来上がりました。師匠・永瀬さんも呼んで、秋空の下、極上の豚汁に舌鼓を打ちました。お替り、お替りの昼食だったこと、いうまでもありません。

午後、サツマイモ5、6列を全部掘り、ヤーコンを掘り、最後にダイコン、赤カブ、ネギ、ルッコラ、ホウレンソウを収穫し、この日の作業を終えました。トランクいっぱいにお土産を積み込み、午後5時前、ひんやりし始めた八郷を後にしました。永瀬さんは、明日から2泊で娘と京都旅行に行く、となにやらソワソワでした。お嬢さんにそっと言いました。「親孝行してきて下さいね」。

(11月21日 宮崎記す)

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■ 11月 6日 霜月のサツマイモ掘り

□サツマイモ、今年の出来は50〜60点
11月6日。前日が仕事で、日曜日の出動とあいなりました。いっそゆったり出かけようと9時ごろ家を出ました。八郷へ着いたのは昼すこし前。1人1人が好きなものを作る「個人区」へ行くと、若月さんが先着し長柄の草取り鎌をふるっていました。ここの個人区は、筑波山のダブル・ピークが見わたせる眺望絶好の畑。わが妻を加え3人で、秋景色をながめながら作業をしました。この日のメインの作業は、サツマイモ掘りです。イモ蔓の上部が数日前かと思われる霜にあたり茶色に変色しています。収穫期終盤を告げるイモの状態なわけです。蔓切りから始めます。4列に植えたサツマの蔓があちこちへ絡まって延びているのを、ばっさばっさと切ります。太く長い蔓。実はこれ、肥料をやりすぎて蔓が必要以上に成育し、栄養が身に回らず収穫の良くない「蔓ボケ現象」なのです。前に試し掘りをしたときに分っていました。それでも、最後の1カ月ぐらいで身が入ってくれたのでは、と期待しながらの作業です。蔓切りのあと、畝を覆ったマルチを剥ぎ取ります。そして、いよいよイモ掘り...。

結果は、やはり蔓ボケで、1株に中玉3個前後という50〜60点の出来でした。まあ、甘めに言ってギリギリの合格点としておきましょう。写真は、良くできた株を手にするボクです。出来の良い年はこの2倍もの盛況なのですが。野菜づくりって、ほんとに難しいです。肥料の加減、お天気、手入れの状態などのファクターが良い形で繋がってはじめて良い出来となるんです。今年、同郷の友人が会社の同僚を連れてイモ掘りにくるというので、「よしいいところ見せよう」なんて邪な気持ちをもったために、つい多肥料になってしまったようです。といっても、ほんのひとつまみの違いなのですが。ものごと、何でも自然体でないと上手く行かない、ことを学んだ思いです。

こんな出来です、今年のサツマイモ。
個人区のお隣りさん、若月さんにも手伝ってもらって。
こんな出来です、今年のサツマイモ。
個人区のお隣りさん、若月さんにも手伝ってもらって。

ボクの区画も若月さんの区画も一段落。みんなでつくる「共同」の畑へ移動し、遅めの昼食を取りました。畑にはキャベツやレタスの葉もの類、ダイコンの葉っぱなどが青々と葉を茂らせています。しっとりとした空気が漂い、なにやら優しい気持ちになります。ヤーコン・シイタケ・コンニャクの手作りの煮つけをもってきた若月さんが、「ヤーコンの料理をいろいろ研究しているんです。煮付けも結構イケルでしょう」といいながら、タッパを回してくれます。「今年、ヤーコン大豊作だから、いろいろ工夫しないとね」などと料理談義が弾みました。

□野菜、収穫いっぱい
夕方から雨という予報を思い出させる雲行きになり、午後の作業を急ぐことにしました。話題のヤーコンを何株か掘りました。1株に10個も大玉がついていて紛うことなき大豊作です。70〜80坪は植えていて、まだ10分の1も掘っていません。ダイコン、赤カブなどを少しずつ抜きます。キャベツ、コウタイサイ、ルッコラなどの葉ものも取ります。ピーマン、シシトウの最終盤の玉ももぎ取ります。ヤツ頭とサトイモを大きい株を探して掘ります。1株ずつ掘って半分ずつ分けるぐらいでちょうど良いぐらいいっぱい子玉を付けています。ほかにホウレンソウの間引き、ナスの古株の引き抜きも。そしてヤツ頭の茎を「芋ガラ」にして食べるべく、葉を切り捨て茎をハウスの中に吊るして干しました。半月も経って乾いたのを味噌汁の具で...というわけです。3時半ごろ、ポツポツと雨が落ちてきました。ちょうど良い店じまいのタイミングです。いつもだいたいこうです。お天気はいつもボクらに味方してくれます。

オータムポエムの花をつむ。菜の花ではありません。
しっとりと柔らかな空気に抱かれての作業です。
オータムポエムの花をつむ。菜の花ではありません。
しっとりと柔らかな空気に抱かれての作業です。

□師匠永瀬さん、梨の木を伐採
この日、師匠・永瀬さんは親戚の新築祝いへお出掛けで、ちょっとしか話すこと出来ず、それだけは残念でした。もっと話したかったというのは、いま借りている畑に隣り合う梨畑の、40アールの梨の木を伐採し始めておられたから。まだ生産年齢の、たしか30年齢ばかりの木だと思いましたが、バッサリと。己れの年齢を考え、これにより、栽培面積を半分にし、「ゆっくりと70歳台を過ごして行きたい」と以前、伐採の目的を話されたことがあります。人生の仕上げとは、こういうことをいうのでしょう。何かうら悲しく、恬淡とし、颯爽ともしていて。静かに深く心撃たれるものがあります。永瀬さんが車で走り去られるとき、「じゃあ梨の木、ケガしないよう、涙流しながら切って下さい」と言葉をかけました。あえて軽い調子で。永瀬さんとは長年のお付き合い。ボクの気持ちは伝わったと思っています。
そんな秋の1日でした。4時。本降りの雨の中、畑にサヨナラしたのでした。

ラッキョウの花が可憐に咲いています。
タイムラグをおいて植えた葉ものが、次々と成長して。
ラッキョウの花が可憐に咲いています。
タイムラグをおいて植えた葉ものが、次々と成長して。

□NHK、スタジオ収録終了
11月5日。土曜日。NHKのある番組のスタジオ収録がありました。2週間前に、われらの畑で「週末農業を楽しむ土日ファーマー」の絵を撮りたいとのことで、半日にわたって作業振りの撮影を受けた、その続きの収録でした。週末農業がテーマで、ボクはその背景などをコメントする役目。本番だけでも4時間ほどの収録。しゃべる場面は数回でしたが、だから逆に疲れました。文章を書くのが本業の身には、しゃべり言葉での、短くインパクトあるしゃべりが良い、といわれてもなかなかうまく出来ず、難しい仕事でした。でも、学ぶところいっぱい。60歳過ぎだろうが何だろうが、大いに勉強になった経験でした。その番組はNHKでもまだ予告してないようですから、抑えておくのが良いでしょう。もうしばらくしたら、このページでも公表し、視聴をお勧めしたいと思っています。

ハウスの中の風景。落花生を乾燥中。
ハウスの中の風景。ゴマを乾燥中。奥にヤツ頭の茎。
ハウスの中の風景。落花生を乾燥中。
ハウスの中の風景。ゴマを乾燥中。奥にヤツ頭の茎。

(11月8日 宮崎記す)

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