□サツマイモ、今年の出来は50〜60点
11月6日。前日が仕事で、日曜日の出動とあいなりました。いっそゆったり出かけようと9時ごろ家を出ました。八郷へ着いたのは昼すこし前。1人1人が好きなものを作る「個人区」へ行くと、若月さんが先着し長柄の草取り鎌をふるっていました。ここの個人区は、筑波山のダブル・ピークが見わたせる眺望絶好の畑。わが妻を加え3人で、秋景色をながめながら作業をしました。この日のメインの作業は、サツマイモ掘りです。イモ蔓の上部が数日前かと思われる霜にあたり茶色に変色しています。収穫期終盤を告げるイモの状態なわけです。蔓切りから始めます。4列に植えたサツマの蔓があちこちへ絡まって延びているのを、ばっさばっさと切ります。太く長い蔓。実はこれ、肥料をやりすぎて蔓が必要以上に成育し、栄養が身に回らず収穫の良くない「蔓ボケ現象」なのです。前に試し掘りをしたときに分っていました。それでも、最後の1カ月ぐらいで身が入ってくれたのでは、と期待しながらの作業です。蔓切りのあと、畝を覆ったマルチを剥ぎ取ります。そして、いよいよイモ掘り...。
結果は、やはり蔓ボケで、1株に中玉3個前後という50〜60点の出来でした。まあ、甘めに言ってギリギリの合格点としておきましょう。写真は、良くできた株を手にするボクです。出来の良い年はこの2倍もの盛況なのですが。野菜づくりって、ほんとに難しいです。肥料の加減、お天気、手入れの状態などのファクターが良い形で繋がってはじめて良い出来となるんです。今年、同郷の友人が会社の同僚を連れてイモ掘りにくるというので、「よしいいところ見せよう」なんて邪な気持ちをもったために、つい多肥料になってしまったようです。といっても、ほんのひとつまみの違いなのですが。ものごと、何でも自然体でないと上手く行かない、ことを学んだ思いです。
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こんな出来です、今年のサツマイモ。
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個人区のお隣りさん、若月さんにも手伝ってもらって。
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ボクの区画も若月さんの区画も一段落。みんなでつくる「共同」の畑へ移動し、遅めの昼食を取りました。畑にはキャベツやレタスの葉もの類、ダイコンの葉っぱなどが青々と葉を茂らせています。しっとりとした空気が漂い、なにやら優しい気持ちになります。ヤーコン・シイタケ・コンニャクの手作りの煮つけをもってきた若月さんが、「ヤーコンの料理をいろいろ研究しているんです。煮付けも結構イケルでしょう」といいながら、タッパを回してくれます。「今年、ヤーコン大豊作だから、いろいろ工夫しないとね」などと料理談義が弾みました。
□野菜、収穫いっぱい
夕方から雨という予報を思い出させる雲行きになり、午後の作業を急ぐことにしました。話題のヤーコンを何株か掘りました。1株に10個も大玉がついていて紛うことなき大豊作です。70〜80坪は植えていて、まだ10分の1も掘っていません。ダイコン、赤カブなどを少しずつ抜きます。キャベツ、コウタイサイ、ルッコラなどの葉ものも取ります。ピーマン、シシトウの最終盤の玉ももぎ取ります。ヤツ頭とサトイモを大きい株を探して掘ります。1株ずつ掘って半分ずつ分けるぐらいでちょうど良いぐらいいっぱい子玉を付けています。ほかにホウレンソウの間引き、ナスの古株の引き抜きも。そしてヤツ頭の茎を「芋ガラ」にして食べるべく、葉を切り捨て茎をハウスの中に吊るして干しました。半月も経って乾いたのを味噌汁の具で...というわけです。3時半ごろ、ポツポツと雨が落ちてきました。ちょうど良い店じまいのタイミングです。いつもだいたいこうです。お天気はいつもボクらに味方してくれます。
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オータムポエムの花をつむ。菜の花ではありません。
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しっとりと柔らかな空気に抱かれての作業です。
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□師匠永瀬さん、梨の木を伐採
この日、師匠・永瀬さんは親戚の新築祝いへお出掛けで、ちょっとしか話すこと出来ず、それだけは残念でした。もっと話したかったというのは、いま借りている畑に隣り合う梨畑の、40アールの梨の木を伐採し始めておられたから。まだ生産年齢の、たしか30年齢ばかりの木だと思いましたが、バッサリと。己れの年齢を考え、これにより、栽培面積を半分にし、「ゆっくりと70歳台を過ごして行きたい」と以前、伐採の目的を話されたことがあります。人生の仕上げとは、こういうことをいうのでしょう。何かうら悲しく、恬淡とし、颯爽ともしていて。静かに深く心撃たれるものがあります。永瀬さんが車で走り去られるとき、「じゃあ梨の木、ケガしないよう、涙流しながら切って下さい」と言葉をかけました。あえて軽い調子で。永瀬さんとは長年のお付き合い。ボクの気持ちは伝わったと思っています。
そんな秋の1日でした。4時。本降りの雨の中、畑にサヨナラしたのでした。
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ラッキョウの花が可憐に咲いています。
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タイムラグをおいて植えた葉ものが、次々と成長して。
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□NHK、スタジオ収録終了
11月5日。土曜日。NHKのある番組のスタジオ収録がありました。2週間前に、われらの畑で「週末農業を楽しむ土日ファーマー」の絵を撮りたいとのことで、半日にわたって作業振りの撮影を受けた、その続きの収録でした。週末農業がテーマで、ボクはその背景などをコメントする役目。本番だけでも4時間ほどの収録。しゃべる場面は数回でしたが、だから逆に疲れました。文章を書くのが本業の身には、しゃべり言葉での、短くインパクトあるしゃべりが良い、といわれてもなかなかうまく出来ず、難しい仕事でした。でも、学ぶところいっぱい。60歳過ぎだろうが何だろうが、大いに勉強になった経験でした。その番組はNHKでもまだ予告してないようですから、抑えておくのが良いでしょう。もうしばらくしたら、このページでも公表し、視聴をお勧めしたいと思っています。
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ハウスの中の風景。落花生を乾燥中。
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ハウスの中の風景。ゴマを乾燥中。奥にヤツ頭の茎。
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(11月8日 宮崎記す)
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