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作業日誌

4月29日
ハウスの組み立てなど作業がいっぱい
4月 1日
畑の整理や春野菜の種まき作業

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■4月29日 <農繁期へ向けて、GO!>ハウスの組み立てなど作業がいっぱい

ゴールデンウィークの初日。どんよりとした冴えない天気ですが、1カ月ぶりの八郷は花の競演の時期を過ぎ、早くも初夏の佇まいです。筑波の山々は、大好きな若葉の薄緑色に覆われ新しい生命を謳歌しているようです。
土日ファームも、連週出動している麻賀さん、若月さん、勝海さんの3人衆の頑張りで、8割がた作付けされ、地面にはうっすらと雑草が芽生え始めています。
この日は”熱心組”のほか、ボクを含む”ときどき組”3人が集まり、6組8人(男6、女2)の出動となりました。農友との久しぶりの再会に、気持ちがほわんと和らぎます。今日もきっといいことあるぞ、って思いました。
<新しきこと何かあらん初夏畑 隆行>

大根の間引き作業 真ん中の四角い窓の中の芽がマリーゴールド
大根の間引き作業
真ん中の四角い窓の中の芽がマリーゴールド

大根が100本も幼葉を10センチばかり伸ばしています。その間引きからスタートです。2、3本残し、成長の遅いのを抜きつつ、雑草を取ります。といっても畦には、全面マルチが張られ、種をまいた部分だけ丸く切り抜いてありますので、除草も楽です。幅1メートルほどのそのマルチの真ん中には、長方形に切り抜かれた部分があり、そこにマリーゴールドが3、4センチの芽を出しています。大根とマリーゴールドの混植です。マリーゴールドは葉もオレンジ色の花もチョー苦くて、虫がやって来ないので、それで大根も虫除けになる・・・というテクニックなのです。麻賀さんたち熱心組の人たちの、薬籠中のワザなのです。朝一番で、早速の嬉しさ発見です。

紅2点の女性は、フキの葉の切り落とし 一面に生えたフキのコーナー
紅2点の女性は、フキの葉の切り落とし
一面に生えたフキのコーナー

種まきもします。枝豆、ツルなしインゲン、トウモロコシです。半月も前にまいたのに続き、時間差を置いての手当てです。次々食べられるようにってわけです。畑を見回すと、空豆、タマネギ、ジャガイモ、サヤインゲン、ピーマン、ネギ、イチゴなどが”少量多品種”主義で植えられています。どれも元気に成長中です。花が咲いているものもあります。ブルーベリー、ラズベリーも若芽を出し始めています。麻賀さんが、それらの野菜に海草エキスを噴霧器でかけます。ミネラルが補給され良質で美味しい実りとなるのです。
ジャガイモが生長目覚しく、畝の間の草もかなり伸びています。草が大きくならないうちに、とボクが約100坪のジャガイモ区画の除草に挑みました。長柄の鎌で草を引っかいて取ります。2日前に大腸ポリープを切除した下腹に響かぬようにと気を使いながら、そうとう腰の引けた作業だったはずです。
<ポリープを除去せしあとの除草かな 隆行>

一気に成長するジャガイモ
ブルーベリーにも若芽がつき始めて
一気に成長するジャガイモ
ブルーベリーにも若芽がつき始めて

この日のメインの作業は、ビニールハウスの設置です。11時ごろから取り掛かりました。間口2間、奥行き4間のハウスは師匠永瀬さんのご好意で裏庭にあったものをボクらにご提供いただき、移設すべく資材を先般運び込んでおいたものです。ファームの既設のハウスの隣りに設置することにしました。
男6人の作業。パイプを組み立て骨格をつくる手順を、まずはみんなで確認し、入り口の壁面作りからスタートしました。垂直の柱(パイプ)6本を地中に50センチばかり突き刺し、横木(パイプ)で補強し、天井部分には湾曲した梁(パイプ)を渡し、その中心に四角いドアも取り付け、第一歩をクリアしました。今度は、奥の壁面作りです。入り口の面と左右にズレないようみんなで目視しながら、作業を進めているところで、師匠が登場。
「角、角は直角を出していかないと長方形になんないよ。どうやって直角を出すの?」と開口一番、突っ込まれました。一同、ポカン。唖然。ボクはおそるおそる「いや目分量で」と。で、師匠の答えは・・・。

「入り口面の外側のパイプからヒモを引っ張る。入り口面のヒモと外側のヒモで直角二等辺三角形を作る。そのときの斜辺の長さは、直角線が1なら、なんぼ? 1.4だったか1.5だったかでしょ。その長さをキチンと取れば直角が出るでしょ。オレは青年のころ、それでやってたよ、数字はもう忘れたけど」
「ああ、ルート2ですね」と青年土日ファーマーの勝海さん(39歳)が即答。「ヒトヨヒトヨニで1.41421356ですね」と。さすが青年ファーマー。師匠の問いかけに即答し土日の面目を保ってくれました。勝海さん、すぐ車からメジャーを出してきて、作業が軌道に乗りました。「数学って、実用できなきゃ、意味がないよねえ」と60歳代の誰かがいいました。いやはや・・・。それにしても、われらが師匠は凄い。78歳ですよ、ご同輩。
直角を出し、表と裏の壁面、それを結ぶ側面の骨格を作ったところで、昼食に。昼食後、屋根面を肋骨のように補強するパイプを設置し、組み立てを終わりました。みんなホッと一息。ご苦労様でした。
<ハウス組むルート2を語る師匠あり 隆行>

知恵を絞ってハウスの組み立て作業
師匠のアドバイスで無事設置できたハウス
知恵を絞ってハウスの組み立て作業
師匠のアドバイスで無事設置できたハウス
   
師匠に「見事」と褒められたサトイモの種 サトイモの種芋の植え込み
師匠に「見事」と褒められたサトイモの種
サトイモの種芋の植え込み

この日の最後の作業は、サトイモの種芋植えです。畑の隅に昨秋うめた種芋の株を掘り出します。立派な芋です。株から小芋を取り外し、大き目のとりわけ立派なのを150個ばかり選んで、予定した区画に植えました。ちなみに種芋類は、身長の3倍の土をかけるのが標準。そこで、地面植えは15センチも穴を掘って埋めたというわけです。
種芋の頭を良く見ると、小さな芽が出かかっているのが分かります。これが2カ月ばかりで地上に顔を出すのです。この作業の間に、女性軍2人が収穫物を分配していました。赤カブは、梅干大ほどの根っこのものを1kgも収穫し、帰ったらすぐに食べられるように根を洗って、人数分に山分けにされています。根が朱色を塗ったように鮮やかです。心底キレイだと思いました。ピリ辛のマスタードというサラダ菜もあります。ほかにホウレンソウ、フキ、そしてサトイモの親芋の部分(と子芋の小さいもの)もあります。
<草萌えてアカカブの朱の鮮やかに 隆行>

菜の花に包まれる土日ファームの一角 賑やかな作付けになった土日ファーム
菜の花に包まれる土日ファームの一角
賑やかな作付けになった土日ファーム

3時半。雨が降ってきました。新聞紙に包んだお土産を濡らしてはいけないと、畑のあちこちからみんな走し寄り、お土産を車に詰め込みました。しばしハウスの中で休みましたが、弱まる気配なく、「今日はここまで」と閉店しました。雨の中、永瀬さんが軽トラでどこかけ出かけました。師匠!「今日は生きた数学、ピタゴラスの定理を有難うございました 」。3時半の店じまいは、めったにないこと。こちらは雨のお土産だったようです。ブラボー。

(5月 1日 宮崎記す)

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■4月 1日 畑の整理や春野菜の種まき作業

4月1日。7組11人が春霞の八郷へ集まりました。師匠・永瀬さんの梨畑が、樹木伐採のあと切り株が引き抜かれ、耕運され新しい畑地となり、一段と見晴らし良くなっています。お借りしている土日ファーム20アールに続けて、さらに10アールをお借りすることになっていて、会では今年ここの30アールに、すぐ近くの永瀬さんの畑A・B計10アールを加え、全部で40アールを耕作する体制です。
相当気張らないとやりこなせない面積です。毎週出動が2人。ときどき出動が6、7組。ちょっと手薄かな、というところです。この3月から39歳の若手・勝海さん(夫妻)がインターネットで情報を得て加入して下さいましたが、求む新人!来たれ新人!です。八郷は1週間後辺りから桜・桃が一斉に咲く桃源郷となります。ささ、どうぞ。

満開の水仙。 開花間もなくの梨の蕾。
満開の水仙。
開花間もなくの梨の蕾。

==黒土の温気鶺鴒低く飛ぶ 隆行==。畑には温気が立ち込め、セキレイが2羽低く飛んでいました。また畑の入り口で水仙の一群が黄色い花を咲かせ、その上空にかかる梨の木枝の蕾がもう少しで開きそうです。畑には、空豆が50本ばかり10センチほどに伸びています。ニンニク、ラッキョウ、ワケギ、タマネギ、ネギなどもスクスクと伸びています。ライムギも元気。1メートルにも伸びる初夏には緑肥として刈り取られますが。

畑の全景(永瀬さん宅を見る)。 畑の全景(永瀬さん宅から)。
畑の全景(永瀬さん宅を見る)。
畑の全景(永瀬さん宅から)。

矢作家の武資くん4歳。怜子ちゃん1歳半。この2人は畑の華。武資くんはこの1年で畑にも、畑の仲間のオジサンたちにも慣れ、挨拶も良くできるようになりました。両親の教育や幼稚園の力もあってのことでしょうが、本来彼がもっている成長力のせいとボクは見ています。前からそうでしたが、何しろ畑好きです。着くなりお父さんとスコップにつかまるようにしてネギの収穫です。「おーいタケちゃーん」と呼ばれ、ワカツキしゃんと赤カブの種も植えます。小さな掌を広げ、小さな小さな種粒を乗せてもらい、「1つずつ撒くんだよ」と教えられ、その通りに、溝に種を撒いていきます。達者なものです。好きこそモノの・・・の類かもしれません。最後に、お母さんとジョウロで水をかけました。

武資くん、赤カブの種蒔きをする。
ジョウロで水遣り。
武資くん、赤カブの種蒔きをする。
ジョウロで水遣り。

==スコップが竹馬になるサツマ掘り==武資くんにかかると農機具はたちまち遊び道具に変身です。その光景は昨年秋のことでしたが、この日もネギ掘りで竹馬をしていました。そして、この日の新しい遊びは、長い柄の「ガレ鎌」の両端をボクと2人で持っての、汽車ごっこです。
ボクの仕事の手隙を待つようにしてせがまれ、大宮〜鎌倉間を20往復ぐらいしました。「この電車は京浜東北線大宮行きです」と彼がアナウンスし、ボクが「汽車汽車しゅっぽしゅっぽ しゅっぽしゅっぽ しゅっぽっぽ」と歌ってやりました。歌はまだ全部覚えてはいませんが、汽車ごっこは幼稚園でやっているのか、はたまた彼の発明なのか・・・。電車のアナウンスを覚えているのにはちょっとびっくりしました。そういえば、野菜の名前なんかも良く知っています。ジャガイモ植えを手伝ってもらいましたが、切口に草木灰を付けること、なぜ付けるのかの理由を説明すると、よーく聞いています。落ち着いて物事に向かう、人としてのもっとも大事なことが身についていて、ボクは嬉しくなります。このまま素直に成長していって欲しいと願わずにはおられません。

いつもの場所での楽しい食事。
同左。
いつもの場所での楽しい食事。
同左。
   
食事の後の記念撮影。 同左。
食事の後の記念撮影。
同左。

汽車ごっこは、ボクもたぶん60年ぶりぐらいにやりました。童心に返って素直に楽しんでやりました。おそらくこれでストレスも吹き飛んだことでしょう。もちろん農作業でも、きっと。この日は、畝立ての機械を永瀬さんのお世話で同地域の農家から借りてきて試運転しました。タバコ栽培に使った機械(老齢化でもう栽培をやめたとのこと)の威力は強烈。重労働の畝立てが5、6本あっという間にできたのです。
永瀬さんの裏庭のビニールハウスを畑に移設する作業も、撤去するためにパイプを引き抜くところまでみんなで力を合わせてやりました。充実の1日。かたわらで、女性軍が収穫物の分配をしてくれていました。ネギ、ワケギ、ハクサイ、ルッコラ、小松菜、フキノトウをお土産に、5時過ぎ、7台の車は帰途に着いたのでした。
==タバコ畝つくりし機械の生命かな 隆行== んんー。ちょっと寂しい思いにも駆られた1日でした。

畝立て機械の試運転。 ハウス移設のための撤去作業。
畝立て機械の試運転。
ハウス移設のための撤去作業。

(4月 2日 宮崎記す)

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