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作業日誌

9月23日
楽しさを全身で味わった稲刈り
9月 2日
12人の笑い声が秋の畑に交響して

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■9月23日 楽しさを全身で味わった稲刈り

9月23日。小美玉市(旧玉里村)の田圃に愉快な仲間が集い、秋晴れの下、稲刈りを心豊かに行いました。参加の皆さん、お疲れ様、援農の皆さん、有難うございました。今年11作目。このうえなく楽しい稲刈りでした。楽しさのエッセンスをコンパクトにレポートします。エッセンス・オブ・エッセンスはレポートの最後の写真。どうぞ最後まで御高覧を。

毎年一番乗りで稲刈りを始める岡本さん 田圃の四隅から稲刈りを開始(土肥さん)
毎年一番乗りで稲刈りを始める岡本さん
田圃の四隅から稲刈りを開始(土肥さん)

集合、朝8時。そのちょっと前に着くと、もう写真の2人が田圃の隅の稲を刈り始めていました。バインダーという稲刈り機械で刈り取るのに備え、機械をターンさせるための空間づくりです。畔に接した一番外側の1〜2列も同様に。手刈りの一方で、バインダーを手押しで動かします。写真はその作業。会のアイドル矢作武資くんが「僕もやりたい」というので、宮崎が一緒に作業しているところです。邪魔でも危険でもないので、5歳児の好奇心を大切にしようというわけです。

「僕もやる」精神の武資くんの稲刈り 稲穂を掲げご満悦の怜子ちゃん
「僕もやる」精神の武資くんの稲刈り
稲穂を掲げご満悦の怜子ちゃん

たいていの子供は2〜3周もすれば、もういいと言いそうですが、この5歳は飽きもせずに集中し、午前午後合わせて2時間ばかり作業を楽しんだのです。終わって、写真の通り、2人で大きく「バンザイ」をしました。どんな達成感を感じたのでしょうか? いや聞かなくてもいいでしょう。きっと何かを感じているはずです。2人が最後まで機械係りでしたが、ボクはというと、終始稲穂の海の中を泳いで行くような、心地よい感覚に浸っていました。

稲刈り機バインダーを二人で動かす 田圃の半分以上を機械で刈り終えバンザーイ
稲刈り機バインダーを二人で動かす
田圃の半分以上を機械で刈り終えバンザーイ

10時ごろこの日のメンバーがあらかた揃いました。土日農研会員のほか、援農のみなさん7人を含めその数20人超。なんと半分以上14人が女性です。一昔前まで男世界だった趣味的農業も、どうやら女性上位?になってきたようです。いや、それは無粋な見方。良い流れになってきたと言うべきでしょう。この日は援農の若い女性も多く、素敵な働きぶりでした。若いカップルも4組いて、豊かな雰囲気を醸し出していました。

脱穀機のエンジン音が響き稲刈りはタケナワ 脱穀機だって使えるヨ、と女性も勇ましく
脱穀機のエンジン音が響き稲刈りはタケナワ
脱穀機だって使えるヨ、と女性も勇ましく

これだけの人数が、20アール(600坪)の田圃じゅうに散らばって行う稲刈りは、それはそれは賑やかです。2台の脱穀機がエンジン音を響かせ、人手が脱穀機を中心に自然と二つに分かれます。稲束を機械にかませる人、稲束を機械の所へ運んでくる人、脱穀の終わった稲束を脇へ取り出す人・・・。女性も脱穀機を動かします。写真の通りです。エンジン音に負けないよう耳元で声を掛け合ったり、目で合図し合ったりして、だんだん呼吸が合い作業が滑らかに進みます。

赤色と青色の2台の脱穀機が競うように 夕方4時ごろ、脱穀作業の人影が長く伸びて
赤色と青色の2台の脱穀機が競うように
夕方4時ごろ、脱穀作業の人影が長く伸びて

と思いきや、つい大きな稲束をかませ過ぎるためか脱穀機がオーバーヒートし止まります。籾の排出口や藁屑の吐き出し口を開け詰まっているのを掻き出すなど、素人なりの手当てをして再起動させます。修復に当たってのみんなの協力ぶりは、特筆もので、あれこれ原因を想像し知恵を絞り合い、機械を借りている農家の人を呼ぶこともなく自力で修復してしまうのです。2台とも同じです。エンジン音が再開すると、皆のほっとした安堵感が流れます。顔を見合わせ、頑張りを称え合います。これこそ協同することを通しての貴重な信頼感というものでしょう。得がたい一瞬です。

12時半から、近くの農民会館を借りてお待たせの昼食です。稲作幹事の1人・小泉民子さんが家で下ごしらえしてきて温めた豚汁が配られます。新里芋入り、その茎のズイキ入り、加えて民子さんの愛情入りの豚汁の味は、最高です。みんな2杯、3杯とお替りしました。満腹したところで、1時間後、稲作責任者島崎さんから午後の作業開始を促す一声があがりました。再開後しばらくして記念撮影をしました。写真は、矢作家の子供2人を含めこれで全員24人の愉快な仲間たちです。

午後のオヤツのあとの記念撮影 田圃に溶け込み満足顔の面々
午後のオヤツのあとの記念撮影
田圃に溶け込み満足顔の面々

午後5時半ごろ霞ヶ浦の上空が美しい夕焼となりました。そこからが最後の追い込み。6時、道路わきに車を乗り入れ、ライトを点けナイターで作業を続けました。例年のことです。7時半、ようやく最後の稲束を機械に投じ、脱穀が終了しました。暗闇の中で脱穀機を片付け、籾の袋をみんなの車に分散して積み込み、近くの協力農家・竹村さん宅へ運び、乾燥機に入れ終わったのは9時を回っていました。ナイター作業は写真が欲しいところですが、余裕なく撮影していません。残念!

その代わり、次の2枚の写真をご覧下さい。1枚は、藁に寝転がる武資君・怜子ちゃん兄妹の100万$の姿。こんなに幸せそうな人の姿、何年も見たことありません。もう1枚はカマキリを手にした武資君の笑顔。彼、虫嫌いをいま内なる戦いで克服中で、つい数ヶ月前までは虫という虫に逃げ回っていました。でも形や、次には触った感触に次第に興味を示し、手袋をして握れるようになったのです。彼の成長に驚かされます。その成長をもたらした力の1つは畑と田圃であり、自然のもつ不思議な力にも驚きます。でも、まだちょっと怖そうかな? 天真爛漫な笑顔を見られるのももう直でしょうが。以上が我等の06年の、稲刈りです。心豊かなれば、不作(茨城の作柄指数は「97」)も気にせず、と思っていましたが、24日夜、竹村さんから「玄米で合計25袋でした」と電話が入りました。昨年並みの結果に、ほっとしています。

いい匂い!と兄妹(撮影者お母さんの腕は凄い) カマキリつかめたよお!と自慢顔の武資君
いい匂い!と兄妹(撮影者お母さんの腕は凄い)
カマキリつかめたよお!と自慢顔の武資君

(9月25日 宮崎記す)

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■9月 2日 12人の笑い声が秋の畑に交響して

9月2日。そこはかとない秋を感じる9月第1週の土曜日。好天に恵まれ7組12人が出動し、心地よい汗を流しました。吉田大士郎君(小5)(弟の雄大君は風邪で欠席)、矢作武資君(5歳)怜子ちゃん(2歳)も参加してくれました。8月末から新加入の川村さんご夫妻もこの日、2度目の出動。新旧メンバーで会話が弾み、笑いも広がり、子供たちの歓声が畑に響き渡った
1日でした。

「アタチも採る」。怜子ちゃんピーマンの収穫 同左(写真の右側の緑は、発芽したソバ)
「アタチも採る」。怜子ちゃんピーマンの収穫
同左(写真の右側の緑は、発芽したソバ)

ジャガイモの後地に、先週までにマルチがけした畝が10本ばかり作られていて、このうちの2本に青首大根、聖護院大根など大根4種の種をまきました。またトウモロコシの後地には白菜、山東菜、水菜などの種をまき、キュウリの後地には耕し直して畝を作って、小松菜、春菊、ルッコラ、マスタード、ホウレンソウなどの種を、また別の場所に二十日大根、赤カブなどの種をまきました。ほかにも、ラッキョウ、アサツキの種(球根)をたっぷりと植え付け、カリフラワーの苗も定植しました。種まきしたところには寒冷紗をベタでかけ、苗を植えたところにも寒冷紗をトンネルにしてかけてやりました。乾燥を和らげ成長を助けるためです。この作業で畑が秋模様に一変しました。

武資君、朝イチの仕事・トマトもぎをする 除草しながら、秋大根の種まきから始める
武資君、朝イチの仕事・トマトもぎをする
除草しながら、秋大根の種まきから始める

少し早めに11時半から昼食にしました。ファーム入り口の例の梨の木の樹陰に椅子を据え、12人が固まるようにして座り弁当を開きます。オニギリ、トコロテン、ソウメン、コンビニ弁当などをめいめいに。冷やしておいたもぎたてのトマト・ミニトマトに塩をつけて頬張ります。トマトは矢作武資君と怜子ちゃんが到着するなり、若月さん・宮崎さんと一緒に収穫し、井戸水で洗って冷水につけておいたもの。毎度書く通りで、もぎたてほど美味しいものはありません。サイコウに美味しい! 畑の野菜を畑で食べる美味しさは、食べてみないと分かりません。皆の手が次々とバケツに伸びたのはいうまでもありません。吉田大士郎君が、前回もぎたてを食べて以来、嫌いだったトマトが好きになった、と話すと「そうだろ、そうだろ」とおじさんたちから満足そうな声が上がりました。三脚を据えタイマーをかけて全員の写真を撮りましたが、このショットには、そんな食の美談が隠れているのです。

樹陰からはみだしそうになっての昼食 食のいい話・いい情報が飛び交う昼食
樹陰からはみだしそうになっての昼食
食のいい話・いい情報が飛び交う昼食

食後の昼寝を楽しみたいところ、秋野菜の播種などでこの時期は、ちょっと忙しいのです。昼寝断念で午後の作業となりました。先に書いた播種の一部を続けるかたわら、雑草を柄長の鎌などでせっせと取りました。20メートルばかりの農道にも、除草が追いつかずに、雑草がびっしりおい茂っています。ボクがこの草叢に草刈り機で挑みました。雑草はチカラシバ、メヒシバ、エノコログサなど。草丈50〜60センチで、根が張り茎も太い猛者です。これを草刈り機で、刈り払うのです。ノコギリのような円盤の刃を一旋させれば、雑草は根元から切り倒せるはずですが、円盤の刃がぼろぼろ欠けていて、右へ左へ何度も振り回さないと切れません。円盤は次回に取り替えるとして、ここで粘るしかありません。エンジンを噴かし続け、2時間ばかりかかってやっと終わったのでした。終盤ふと我に返って思いました。いまの顔つき、きっと”鬼の形相”だったに違いないと。

刈り倒した草は恰好の敷き草です。麻賀さんが一輪車に乗せてサトイモの区画へ運び、畝の間に敷きます。乾燥防止と雑草を抑える役目を果たすのです。武資君が「ボクもやる」と言って、麻賀さんと一緒に一輪車を押すのを手伝いました。帰りは自分1人で押して。自分の背丈ほどの高さの一輪車をバランスよく押して上手いもんです。往復すること10数回、飽きもせず、この作業を続けました。5歳になったばかり、彼のこの集中力はいったい何なのでしょう。今後もじっと見守り続けたいと思っています。「武資君ご苦労様」と皆に称えられ、にこっと嬉しそうに笑う武資君でした。誰かさん、鬼の形相なんて、イケナイ、イケナイ。

刈り取った草を運ぶ麻賀さんと武資君 一輪車をバランスを取って押す武資君
刈り取った草を運ぶ麻賀さんと武資君
一輪車をバランスを取って押す武資君

さて。この7月末と8月末に「土日農研」に相次いで2組(吉田さんと川村さん夫妻)が新加入しました。去る3月加入の1組(勝海さん夫妻)を加えると、今年は3組の新らしい仲間を得ることができました。全員、自然好き・農業好きの働き者です。2組の夫妻は30歳代だし、吉田さんはいつもお孫さん連れだし、我が会のこの”YKK現象”は従来と少し違う動きのようです。老若男女が、自然や農業や田舎暮らしを求める生き方が、急速に本格化しだしたのではないでしょうか。HPの効果もあるようです、会がさらに賑やかになる予感がします。

キュウリの後地の整理(大士郎君、武資君も手伝う) 畑の除草が終わり、キレイになった土日農場
キュウリの後地の整理(大士郎君、武資君も手伝う)
畑の除草が終わり、キレイになった土日農場

この日、武資君は車付きの道具箱を電車に見たてて、それに紐をつけ引っ張って遊びました。オヤツどき、若月さんとボクが機関車役をやらされ・・・いやいや、武資君に遊んでもらいました。また、ボクは昆虫好きという吉田大士郎君を連れて畑のわきの栗林の中へカブトムシやカミキリムシを捕りにもいきましたが、空振りでした。捕まえたときの小5の反応を見たかったのに。この日、弟の雄大君が風邪で家に居るという大士郎君は、午後早々に「弟が待っているので」と帰宅し、弟思いの一面を見せました。次回、兄弟で来たとき、小学生の彼らと何をして遊ぶか、何か計画しておかなくちゃ。工作かな? イタドリの笛、タケトンボ、水鉄砲、竹馬・・・。YKK現象が、夢を膨らませてくれています。この日もお土産いっぱい。7、8点ありましたが、カボチャが中心で10個ずつも持ち帰ることに。「先週も今週もカボチャが山ほど。カボチャ屋をするしかないな」とみんな嬉しい悲鳴を上げたのでした。

何取ってるの?怜子ちゃん 笑顔はじける兄妹での電車ごっこ
何取ってるの?怜子ちゃん
笑顔はじける兄妹での電車ごっこ

(9月 3日 宮崎記す)

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