6月30日 |
ジャガイモ掘り体験希望の父子を迎えて |
6月23日-2 |
お泊り会(後編)夜のキャンプファイアーなど |
6月23日-1 |
お泊り会(前編)昼の畑作業 |
6月 2日 |
紫シソ苗の移植など梅雨前の大仕事 |
■6月23日 お泊り会(後編)夜のキャンプファイアーなど | ||||||||||||||||||||||||
ここからお泊り会本番の準備です。1つはテント張り。勝海さん、吉田さんで、子供たちも一緒になり土日庵の前庭に持参のテントをワイワイ言いながら張りました。子供たちにとっては物珍しい興味津々の作業。でも、一昔前の仕様と比べて張り方は簡単で、屋根を引っ張る4本のロープを地面に固定するアンカーを子供たちが打ち込み、ひょいひょいと組み立てました。あとは出たり入ったり、テントは子供天国と化しました。2つめはキャンプファイアーの井桁造り。勝海さんが建築士の腕を生かして、永瀬さんに頂戴して小屋の脇に保存している、伐採した庭木の丸太や廃材の角材を畑の真ん中に運んで、「井の字」形の燃焼台を造りました。真ん中の空間に小枝を突き立てて出来上がり。
3つめはカレーライス作り。テーブルに子供たち4人全員が集まり、おばちゃんたちの指導のもと自分たちでカレーのルー作りに挑みました。小6と小4の吉田「おにいちゃん」に負けじと、もう少しで6歳の武資くんもジャガイモ、ニンジン、タマネギを切りました。もうじき3歳の怜子ちゃんは、ボクがお釜で米を研ぐのを手伝い、水道のホースのストッパーを操作し、お釜に水を入れてくれました。彼女、真っ白く濁ったとぎ汁をボクが二度三度とお釜から捨てるのをじーっと見ていました。カマドの薪に火をつけ、ご飯をたき始めるまでじーっと。よほど面白かったんだね。格好いいところを見せたいボクは、何十年ぶりのお釜でのご飯炊きとあって、ちょっと緊張しました。でも、水加減は手の平を折ってクルブシまで、という亡きオヤジの教えをはっきり覚えていて、久しぶりにオヤジと会話し、懐かしい思いでした。ルーが出来、ご飯のおこげの匂いがして炊き上がったところで、順序は逆でしたが、10人そろって、近くの温泉へ車を走らせました。7、8年前にオープンした掘削温泉で、渋谷の事故を思い出し、大急ぎで湯浴みしました。いやいや、早く宴会をやりたくて、超特急の垢落としをしたのでした。
午後7時半。永瀬さんのご好意でお宅の前庭をお借りし、宴会の開始です。防犯用の明るい灯りに照らされ、子供たちは早速カレーライスを食べ始めました。蛍狩りの運転手役のボクもアルコール抜きで、一緒にパクつきました。お味は最高。子供たちの心が詰まった甘口カレー。たっぷりのジャガイモにマッチした甘口カレー。甘口カレーを見直す美味しさでした。かく味わううち、カレの一口目がまだ胃袋にも達しないうちに、勝海さんが、超早業でイカの刺身を作り上げ、ビールとジュースで乾杯し、宴会へなだれ込んだのでした。幸いまだ蚊も出ず、梅雨時のややひんやりした夜気のもと、イカ刺し、マグロ刺し、ホタテ焼きといった美味にありつけ、舞台も肴も最高!! 得もいえぬ幸せ感です。話にも花が咲きます。矢作さんの仙台転勤後の仕事、勝海さんの近く生まれる第一子の名前、吉田さんの義父との酒飲み話などなどが尽きずに。3家族の面々は年齢が近いこともあり、大いに盛り上がったのでした。
子供たちは花火に興じ、花火を手に歓声を上げ庭じゅうを駆け回りました。都会での遠慮ぎみの花火と違い、自分たち自身も花火のように弾け、完全燃焼していました。大人もまた、遊ぶ子供の声聞けば・・・(『梁塵秘抄』)です。8時半、予定通りに永瀬さんの案内で、男の子3人を連れ車で蛍狩りに出かけました。旧八郷町大田地区で2、3匹を永瀬さんとボクと妻は確認しましたが、これでは不十分と山越えし笠間市の山中へ向かいました。市の蛍狩りが催されていましたが、ちょうど終わったばかりで、10匹ほど遠目に確認できたものの、子供たちにはムリだったようです。残念。とうとう苦い水を飲んでしまいましたが、市の係りに「蛍は夜8時〜9時の間にしか出ない。そのあとは蛍も寝る時間」と教えられ、来年を期したのでした。
10時帰着。いよいよキャンプファイアーです。武資くんが昼間集めておいてくれた杉の葉を、井桁の最下部に突っ込み、新聞紙に祐大くんが点火します。パチパチと杉の葉がはじけて燃え、見る見る小枝に燃え移ります。1m50もある井桁の木全部に火が回り、炎が高々と天に昇ります。火の粉がそこからさらに高く舞い上がり、乱舞し、すーっと消えていきます。漆黒の闇を背景にした炎と火の粉の幻想的な芸術を見上げ見上げし、子供も大人も酔いしれました。記念写真をいっぱい撮りましたが、フラッシュの光が闇夜に吸い取られたかのように、十分に届いていないカットばかりでした。庭の焚き火もままならない時代にあって、この日、目前に見た、燃え上がる火の荒々しさ、あるいは神々しさが、子供たちに森羅万象、「本物」を尊ぶ心の火を点してくれたらと思いました。
その後も庭で語り合っていた飲ん兵衛たちが小屋とテントで全員寝たのは、12時を回っていたようです。翌朝、5時ごろ大人たちは目を覚まし、ゆったりと農業の楽しみや将来のライフスタイルなどを話し合いました。7時ごろから、味噌汁を作り、ご飯とカレールーを温め、早起きしていた祐大くんと怜子ちゃんが、お兄ちゃんを起こし、朝食となりました。藤棚の下の食卓は、柔らかな朝日を浴び、不思議な静けさでした。初のお泊り会が終わりに近づいていたのです。丸々24時間に及ぶ交流会語り、お付き合い、ありがとうございました。
(6月26日。宮崎記す) |
■6月23日 お泊り会(前編)昼の畑作業 | ||||||||||||||||||||||||||||
6月23日。梅雨の間の晴天の1日。クラブハウスでの初のお泊り会を楽しくやりました。1泊して翌日も晴れ。お天気も祝ってくれたのです。クラブハウス「土日庵」とその前に張ったテントに泊ったのは、はるばる仙台からやってきた矢作さん一家4人と、東京の吉田さん父子3人、プラス例の棟梁・勝海さんと宮崎夫妻の計10人でした。
23日。第一幕は通常の畑作業。泊り組のほかに麻賀・農場長ら計3家族4人、さらに若月さんの親類家族15人ほどの訪問を得て合計30人ばかりが畑に散らばり、ジャガイモ掘りなどを楽しみました。若月さんはメンバー全員で耕作する区画のほかに設けた「個人区」に植えたジャガイモを一族郎党で掘るのを毎年の定番にしています。ボクも個人区兼用で、サツマイモ好きの友人用にサツマ100本を植えています。バリュエーション豊かな土日ファームなのです。 ジャガイモは男爵、メイクイーン、キタアカリ、レッドムーンの4種のうち、堀り残しの後者2種がこの日のターゲット。まず畝のマルチを剥ぎ取ります。茎がすでに枯れていて、さーっと取れます。マルチはグルグル巻きにしておいて後日、みんなで少しずつ持ち帰り、都市ごみの処理日に廃棄します。マルチを取ると柔らかな黒土の畝が現れます。茎の根元に手を入れ、ジャガイモを掻き出します。モッコリと大玉10個ばかりがまとまって出てきます。今年も豊作です。病気の入った玉はほとんどありません。地面ににジャガイモがズラリ並んで行きます。肌の赤いレッドムーンが一際鮮やかで、壮観です。畝と畝の間の雑草の上に、掘ったあとの土をかぶせて行きます。整地も同時にやろうというわけです。ジャガイモは昼食を挟んで太陽に当てて乾かし、そのあとでコンテナに入れ土日庵の中に収納しました。
4人の子供たち(吉田大士郎くん、祐大くん、矢作武資くん、怜子ちゃん)も今年3月、自分たちで植えたキッズ区画のイモを目の色を変えて掘りました。貴重な体験になったはずです。続いて、畑の隅にこの春移植したベリー類の収穫に向かいました。ラズベリーが真っ赤な実をつけています。移植1年目で実の数は多くありませんが、味は甘く文句なし。独特の味と食感です。実を摘み取り、そっと口に含む子供たちの幸せそうな顔。「これが木の実。嬉しいね、毎年毎年成ってくれてさ」とボク。そういえばと思い出しました。八郷への道中、高速道のパーキングの店で、ラズベリージャムを、小さな瓶入りで900円で売っていたことを。子供たちのこの後の仕事ぶり、いや遊びぶりは、風のように飛び回り、捕虫網を振り回し、ボールを蹴り合い、自然の一部のようでした。
正午。お昼です。藤棚の下に出したテーブルの周りにみんなが陣取り、弁当を開きます。川村由佳さん手作りのキュウリとナスの塩もみ、そしてゆでたてのジャガイモに、みんなのお箸が殺到します。旨い、美味い、ウマイの連呼。最高です。畑の恵みのありがたいこと! 幸せなこと! さらに贅沢なことに、炒った落花生(去年の収穫物)も出ます。
食後は、樹陰に寝転がる人、アウトドア椅子に身を沈め無我の境地を楽しむ人、早々と午後の作業を始める人・・・と思い思いの行動。みんな好きなように時を過ごします。畑に陽が降り注ぎます。畑に土日ファーマーたちがいます。午後は、主に草取り。サトイモ、ヤーコン、ネギ、落花生などの畝間の草を、鎌で、あるいは長柄の鎌で掻き取ります。麻賀さんがトマト、ナスなどに酢の希釈液を噴霧し防虫の手当てを、ボクがトマトなどへ追肥をします。収穫するメンバーもいます。サヤインゲン、ラディッシュ、大根、キュウリ、ナスなどが次々、小屋の中に運び入れられます。午後4時。この日の予定の作業を終え、ジャガイモほかの収穫物を分け、日帰りメンバーは三々五々帰途に着きました。 (6月26日。宮崎記す) |
■6月 2日 紫シソ苗の移植など梅雨前の大仕事 | ||||||||||||||||||||||||||||
6月2日。朝9時過ぎに八郷ファーム到着。2週間ぶりの畑にヤル気満々で。すると「土日庵」前の駐車場には6台が先着。のちにマイペースで来た1台と合わせ、この日は合計8組15人が出動したのでした。賑やかな畑に嬉しさがこみ上げます。暑くなりそうな朝日を浴びて、みんな早くもせっせと働いています。サヤ豌豆とルッコラの取り収め。紫サツマイモの苗植え(これでベニアズマと合わせサツマは全部で1000本近く。収穫する一部を秋土中に埋める)、ピーナツの苗植え。そして除草・・・と思い思いに畑に散らばっています。「おはようございます」「お久しぶりです」と挨拶が弾みます。
ボクは、小屋の脇の畑に自生した紫シソの移植から始めました。10〜20センチに伸びた苗が何100本もガバッとまとまって生えています。吉田信彦さんと2人、スコップでザックリ掘り取り、畑の隅に運んでは植え、運んでは植えしました。隣りでサヤ豌豆を摘む信彦さんの義父昭南さんに、ボクが話しかけます。「紫シソジュースを今年も作りませんとね」。昭南さんがニッコリして返します。「去年はウィスキーボトル何本かに化けたものねぇ」。ソウ、行きつけの飲み屋で、東京ワラシベ長者ものがたり、が展開したんでしたね。ハイ、ぜひ今年もものがたり聞かせて下さい、ってわけです。紫シソジュースを狙って、前週も別な場所にたんと移植したようですが、我らの欲には限界がありません。というよりこの自生苗、黙っておけば耕運され踏み潰される運命だったんです。だから、勿体ない精神、これが第一です。 紫シソジュースは夏の体調を整えるための、我ら自慢の無添加自家製ジュースです。レシピは当HPの<食情報>欄にあります。市販の材料でどうぞお試しあれ! ところでこの原稿を書く前日に近所のスーパーを見たら、ひと鍋分ほどの紫シソの茎葉が300円弱で売られていました。梅干しに赤い色を着けるのもこの紫シソ。わが畑の紫シソは7、8月が穫りごろとなります。楽しみ、楽しみ!! 畑の恵みって本当にありがたいもの、と思いながらの移植作業でした。
キュウリの蔓を這わせる支柱の竹を頂こうと、吉田君兄弟を連れて近くの竹山に竹を切り出しに行きました。こういう作業には必ずいる若月さんを先頭に。若月さんらが20本も切る間、ボクはタケノコを探しました。破竹(この字かな?)という竹だということでしたが、そのタケノコを30本ばかり頂戴しました。畑では、他に地主・永瀬師匠に教わりながら、カボチャの不要な蔓や、トマトのわき芽のカット、さらに玉ねぎ・ニンニクの最後の全収穫、ソラマメの収穫などをみんなで手分けしてやりました。黙々黙々と。午後、ボクが育てたヤーコンの苗150本ほどを、先に植えた場所に追加して植え(合計約200本に)ました。また帰り際、「早めに食べる楽しみを味わったら」という師匠の一言でジャガイモ(早生種の男爵)を試し掘りし、これでこの日のお土産が全部で14種類になったのでした。
最後のレポートが、昼食。ソラマメを例年のことですが、昼食時に食べようと、小屋の前のカマドの火で女性軍がサヤごと焼き、もう1点サヤを剥いた実を薬缶で茹でてくれました。ソラマメの皮を剥き、塩味の滲みた薄緑色の実をそっと口に入れ食べます。ほのかなマメのニオイ、かつ豆類独特の、でも控えめな豆の味。食の五万の味のうちとりわけ優しい繊細な味、味わいを突き詰めたいと味覚を恋うる味、とでもいいたいソラマメならではの上品な味を、じっくりじっくり賞味しました。死ぬほど食べたいと思うソラマメの今年の初物食でした。市価の特に高いソラマメをこの日、何千円分もお土産に持ち帰り、続いて、家ではソラマメご飯をたっぷりと楽しんだのでした。
NHKラジオの土曜日朝の番組「ラジオ朝一番」でボクがしゃべっている「野菜よ育て」(隔週土曜)の中で、この日はソラマメのことも話し、「この時期の畑はおいしいものどっさりの豊饒の季節」と結びましたが、その通りの畑なのです、本当に。いよいよこのあと、ジャガイモの収穫時期が何週間か続きます。掘ったら、畑バーベキューが待っています。ジャガイモ掘りを、ご希望の方、体験コース(有料)を設けますので、当HP「お知らせのページ」のご案内をご覧下さい。 (1週間遅れのレポート。6月8日。宮崎記す) |
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