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作業日誌

6月30日
ジャガイモ掘り体験希望の父子を迎えて
6月23日-2
お泊り会(後編)夜のキャンプファイアーなど
6月23日-1
お泊り会(前編)昼の畑作業
6月 2日
紫シソ苗の移植など梅雨前の大仕事

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■6月30日 ジャガイモ掘り体験希望の父子を迎えて

6月30日。曇り、のち夜に雨。先週末と同様に、天気予報が覆り梅雨の間の作業日和。土日ファーマーの熱気と願いが通じたかのような天の思し召し。有難きかなお天気、有難きかな農業仲間です。加えてこの日は、埼玉県越谷市からジャガイモ掘り体験をしたいという父子1組をお迎えし、喜びの体験をしていただきました。農業好きの都市民がじわじわ増えていることが実感でき、嬉しいことでした。小屋(土日庵)に保管したジャガイモの選別作業もできたし、サツマイモ畑も含めて土日ファーム全体の草取りなどが滞りなく進み、心軽やかな1日となりました。

ジャガイモ堀りの体験をする埼玉県の父子 なかなかの出来のメイクイーン
ジャガイモ堀りの体験をする埼玉県の父子
なかなかの出来のメイクイーン

ジャガイモ掘り体験者は36歳のT さんと長男のM くん(小1年)。HPで半月前に体験受け入れのメッセージを流したのをキャッチし、はるばる2時間の高速道のドライブでやってきたのです。奥様と小さいお子さんは留守番。T さんは市民農園をやっていて、ジャガイモ栽培の経験はあるとのこと。わが畑の1列だけ掘り残しておいたジャガイモは中生種のメイクイーンで、まだ収穫期なのですが、茎がすっかり枯れていたのは残念。M くんには3月に種芋を植え、それが5月に花を咲かせ、畝の中に実を着けたことを説明し、手で掘ってもらいました。メイクイーンは上出来。1株に大小20個もの実が着いていて2人は驚いていました。市民農園では5個ぐらいしか成らないのに、と。3株で1000円の体験料とHPに告示しましたので、その通りの原則で20個×3株=60個(大玉ばかり)、プラス赤い肌色のレッドムーンも少し差し上げましたが、M くん、「お母さんが喜ぶね」とニッコリでした。お土産はほかにも。近くの仲良し農家の竹山で真竹のタケノコを取らせてもらいました。さらにさらに。畑のラディッシュなど根を洗ってビニール袋に入れたものが、野菜整理奉行の川村由佳さんからプレゼントされました。入会を望むみんなの、それとない誘いのサインではありましたが、奥様との話し合いがT さんのハードルのようでした。ハードル・クリアを期待しておきましょう。

トマトに海草エキスを噴霧する麻賀農場長 キレイに広がる夏の土日ファームの中心部
トマトに海草エキスを噴霧する麻賀農場長
キレイに広がる夏の土日ファームの中心部

いつものように12時に昼食。藤棚下にテーブルを持ち出し、来客を交え、この日の出動者6家族9人で弁当を広げました。もぎたてのキュウリが出ます。みんな、丸のまま手づかみし、かぶりつきます。味付けは、川村さんが手作りしてきたニンニク味噌。無臭ニンニク(実際は無臭ではなくほどよいニンニク臭)をスライスし、24時間、味噌に漬けたという試作品が大受け! これはもう最高! 最高中の最高! キュウリとニンニク味噌の取り合わせは、”どにち”ならではの大発見と言っておきましょう。「いやあ、麻賀さんに、作ってみてと宿題出されて、やらないとねぇ」と由佳さん。梅雨空に、大きな笑い声が広がっていきました。少し遅れて、ジャガイモと大根の味噌汁が貞子さんからサーブされ、食の幸せを満喫したのでした。

ニンニク味噌でキュウリをかじる面々 はい、味噌汁できましたぁ
ニンニク味噌でキュウリをかじる面々
はい、味噌汁できましたぁ

昼食後サツマイモ畑の草取りです。畑の周りの草を草刈機で、畝の間は人海戦術で。畝の間は、どにちの省力ノウハウにモノを言わせました。新聞紙を敷き、その上に土をかけて新聞紙を押さえ、それによって雑草の発芽や成長を抑え込もうというわけです。意外や意外。相当な効果ですよ。稲藁が理想なのですが、新聞紙も稲藁同様いずれ土となりその代替品になるのです。

サツマイモ畑の手当てをするどにちファーマー 省力の どにち流雑草対策をご披露
サツマイモ畑の手当てをするどにちファーマー
省力の どにち流雑草対策をご披露

夏の畑は、作業は無限。特に草取りがタイヘン。サツマのあともみんなが畑じゅうに散らばり、せっせっせっせと草取りに励みました。合間を見てボクは、この数年懸案にしてきた「真竹のタケノコ」を塩漬けにして作るというメンマ作りに挑みました。タケノコの皮をはいで塩をまぶし、ビニール袋にしっかり包み込み、これを土中に埋め、微生物に発酵させるという製法。たっぷり2kg近くの塩タケノコにし、ビニール袋を畑の隅の土中30cmの深さに埋めました。八郷町で田舎暮らしをする友人の山本治さんに教えてもらったところによると、半年後に出来上がるいうことでした。みんなに宣言しました。「半年後に、メンマ料理を楽しみましょう」と。成功したら、改めてレシピを公開します。

もう一つ。家で成るビワの実から取ったビワの種と、ヤマモモの実(種)を数十個ずつ畑の隅に種まきしました。どれだけ芽を出すかわかりませんが、育ててみようという魂胆です。これも野菜だけでなく、庭木の苗木もつくってみたいという数年来の計画を実行したものです。どにちの、活動を深めようという狙いです。

腐ったものを、掘った穴にポイッ。 ジャガイモの選別作業。
腐ったものを、掘った穴にポイッ。
ジャガイモの選別作業。

この日の、最後の作業は、先週と先々週に収穫したジャガイモの玉の選別。コンテナに収納したものを、小屋の前の庭に広げると、やはり1〜2%の確率で腐れが入ったものがありました。これをはじく作業です。そのままだと腐れが伝染しみんな腐ってしまうのです。1時間ばかりでこれをクリアし、畑に来られないメンバーなどに発送する梱包までやり、はい、ジ・エンド。選別品を小屋に収納しながら、安心感・充実感に浸りました。このスッキリ気分はある意味、畑ならではのもの。心地よい疲れと心の身軽さを、感じながら、わが畑を見渡したのでした。

(7月1日。宮崎記す)

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■6月23日 お泊り会(後編)夜のキャンプファイアーなど

ここからお泊り会本番の準備です。1つはテント張り。勝海さん、吉田さんで、子供たちも一緒になり土日庵の前庭に持参のテントをワイワイ言いながら張りました。子供たちにとっては物珍しい興味津々の作業。でも、一昔前の仕様と比べて張り方は簡単で、屋根を引っ張る4本のロープを地面に固定するアンカーを子供たちが打ち込み、ひょいひょいと組み立てました。あとは出たり入ったり、テントは子供天国と化しました。2つめはキャンプファイアーの井桁造り。勝海さんが建築士の腕を生かして、永瀬さんに頂戴して小屋の脇に保存している、伐採した庭木の丸太や廃材の角材を畑の真ん中に運んで、「井の字」形の燃焼台を造りました。真ん中の空間に小枝を突き立てて出来上がり。

テントの組立図を見る子供たち ボクたちもやる、と組み立て作業をする。
テントの組立図を見る子供たち
ボクたちもやる、と組み立て作業をする。

3つめはカレーライス作り。テーブルに子供たち4人全員が集まり、おばちゃんたちの指導のもと自分たちでカレーのルー作りに挑みました。小6と小4の吉田「おにいちゃん」に負けじと、もう少しで6歳の武資くんもジャガイモ、ニンジン、タマネギを切りました。もうじき3歳の怜子ちゃんは、ボクがお釜で米を研ぐのを手伝い、水道のホースのストッパーを操作し、お釜に水を入れてくれました。彼女、真っ白く濁ったとぎ汁をボクが二度三度とお釜から捨てるのをじーっと見ていました。カマドの薪に火をつけ、ご飯をたき始めるまでじーっと。よほど面白かったんだね。格好いいところを見せたいボクは、何十年ぶりのお釜でのご飯炊きとあって、ちょっと緊張しました。でも、水加減は手の平を折ってクルブシまで、という亡きオヤジの教えをはっきり覚えていて、久しぶりにオヤジと会話し、懐かしい思いでした。ルーが出来、ご飯のおこげの匂いがして炊き上がったところで、順序は逆でしたが、10人そろって、近くの温泉へ車を走らせました。7、8年前にオープンした掘削温泉で、渋谷の事故を思い出し、大急ぎで湯浴みしました。いやいや、早く宴会をやりたくて、超特急の垢落としをしたのでした。

おばさんの指導で食材を切る。 包丁だって使えるんだ、ボクたち。
おばさんの指導で食材を切る。
包丁だって使えるんだ、ボクたち。

午後7時半。永瀬さんのご好意でお宅の前庭をお借りし、宴会の開始です。防犯用の明るい灯りに照らされ、子供たちは早速カレーライスを食べ始めました。蛍狩りの運転手役のボクもアルコール抜きで、一緒にパクつきました。お味は最高。子供たちの心が詰まった甘口カレー。たっぷりのジャガイモにマッチした甘口カレー。甘口カレーを見直す美味しさでした。かく味わううち、カレの一口目がまだ胃袋にも達しないうちに、勝海さんが、超早業でイカの刺身を作り上げ、ビールとジュースで乾杯し、宴会へなだれ込んだのでした。幸いまだ蚊も出ず、梅雨時のややひんやりした夜気のもと、イカ刺し、マグロ刺し、ホタテ焼きといった美味にありつけ、舞台も肴も最高!! 得もいえぬ幸せ感です。話にも花が咲きます。矢作さんの仙台転勤後の仕事、勝海さんの近く生まれる第一子の名前、吉田さんの義父との酒飲み話などなどが尽きずに。3家族の面々は年齢が近いこともあり、大いに盛り上がったのでした。

カレーライス、いただきまーす 夜の庭を走り回って、花火に興じる子供たち
カレーライス、いただきまーす
夜の庭を走り回って、花火に興じる子供たち

子供たちは花火に興じ、花火を手に歓声を上げ庭じゅうを駆け回りました。都会での遠慮ぎみの花火と違い、自分たち自身も花火のように弾け、完全燃焼していました。大人もまた、遊ぶ子供の声聞けば・・・(『梁塵秘抄』)です。8時半、予定通りに永瀬さんの案内で、男の子3人を連れ車で蛍狩りに出かけました。旧八郷町大田地区で2、3匹を永瀬さんとボクと妻は確認しましたが、これでは不十分と山越えし笠間市の山中へ向かいました。市の蛍狩りが催されていましたが、ちょうど終わったばかりで、10匹ほど遠目に確認できたものの、子供たちにはムリだったようです。残念。とうとう苦い水を飲んでしまいましたが、市の係りに「蛍は夜8時〜9時の間にしか出ない。そのあとは蛍も寝る時間」と教えられ、来年を期したのでした。

キャンプファイアー。火勢強まり火の粉があがる 神々しい火に酔いしれる
キャンプファイアー。火勢強まり火の粉があがる
神々しい火に酔いしれる

10時帰着。いよいよキャンプファイアーです。武資くんが昼間集めておいてくれた杉の葉を、井桁の最下部に突っ込み、新聞紙に祐大くんが点火します。パチパチと杉の葉がはじけて燃え、見る見る小枝に燃え移ります。1m50もある井桁の木全部に火が回り、炎が高々と天に昇ります。火の粉がそこからさらに高く舞い上がり、乱舞し、すーっと消えていきます。漆黒の闇を背景にした炎と火の粉の幻想的な芸術を見上げ見上げし、子供も大人も酔いしれました。記念写真をいっぱい撮りましたが、フラッシュの光が闇夜に吸い取られたかのように、十分に届いていないカットばかりでした。庭の焚き火もままならない時代にあって、この日、目前に見た、燃え上がる火の荒々しさ、あるいは神々しさが、子供たちに森羅万象、「本物」を尊ぶ心の火を点してくれたらと思いました。

キャンプファイアーの記念写真 祐大くんが撮った記念写真の記念写真
キャンプファイアーの記念写真
祐大くんが撮った記念写真の記念写真

その後も庭で語り合っていた飲ん兵衛たちが小屋とテントで全員寝たのは、12時を回っていたようです。翌朝、5時ごろ大人たちは目を覚まし、ゆったりと農業の楽しみや将来のライフスタイルなどを話し合いました。7時ごろから、味噌汁を作り、ご飯とカレールーを温め、早起きしていた祐大くんと怜子ちゃんが、お兄ちゃんを起こし、朝食となりました。藤棚の下の食卓は、柔らかな朝日を浴び、不思議な静けさでした。初のお泊り会が終わりに近づいていたのです。丸々24時間に及ぶ交流会語り、お付き合い、ありがとうございました。

柔らかな朝日を浴びて朝食の準備 夕べの残りのカレーライスも、「うまーい」
柔らかな朝日を浴びて朝食の準備
夕べの残りのカレーライスも、「うまーい」

(6月26日。宮崎記す)

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■6月23日 お泊り会(前編)昼の畑作業

6月23日。梅雨の間の晴天の1日。クラブハウスでの初のお泊り会を楽しくやりました。1泊して翌日も晴れ。お天気も祝ってくれたのです。クラブハウス「土日庵」とその前に張ったテントに泊ったのは、はるばる仙台からやってきた矢作さん一家4人と、東京の吉田さん父子3人、プラス例の棟梁・勝海さんと宮崎夫妻の計10人でした。

朝一番でジャガイモ堀りをスタート。 乾かしたあとのジャガイモをコンテナに。
朝一番でジャガイモ堀りをスタート。
乾かしたあとのジャガイモをコンテナに。

23日。第一幕は通常の畑作業。泊り組のほかに麻賀・農場長ら計3家族4人、さらに若月さんの親類家族15人ほどの訪問を得て合計30人ばかりが畑に散らばり、ジャガイモ掘りなどを楽しみました。若月さんはメンバー全員で耕作する区画のほかに設けた「個人区」に植えたジャガイモを一族郎党で掘るのを毎年の定番にしています。ボクも個人区兼用で、サツマイモ好きの友人用にサツマ100本を植えています。バリュエーション豊かな土日ファームなのです。

ジャガイモは男爵、メイクイーン、キタアカリ、レッドムーンの4種のうち、堀り残しの後者2種がこの日のターゲット。まず畝のマルチを剥ぎ取ります。茎がすでに枯れていて、さーっと取れます。マルチはグルグル巻きにしておいて後日、みんなで少しずつ持ち帰り、都市ごみの処理日に廃棄します。マルチを取ると柔らかな黒土の畝が現れます。茎の根元に手を入れ、ジャガイモを掻き出します。モッコリと大玉10個ばかりがまとまって出てきます。今年も豊作です。病気の入った玉はほとんどありません。地面ににジャガイモがズラリ並んで行きます。肌の赤いレッドムーンが一際鮮やかで、壮観です。畝と畝の間の雑草の上に、掘ったあとの土をかぶせて行きます。整地も同時にやろうというわけです。ジャガイモは昼食を挟んで太陽に当てて乾かし、そのあとでコンテナに入れ土日庵の中に収納しました。

真っ赤に実ったラズベリー。 食べながら、摘み取る子供たち。
真っ赤に実ったラズベリー。
食べながら、摘み取る子供たち。
   
キュウリを収穫する子供たち 収穫したものは小屋の中に運び込みます
キュウリを収穫する子供たち
収穫したものは小屋の中に運び込みます

4人の子供たち(吉田大士郎くん、祐大くん、矢作武資くん、怜子ちゃん)も今年3月、自分たちで植えたキッズ区画のイモを目の色を変えて掘りました。貴重な体験になったはずです。続いて、畑の隅にこの春移植したベリー類の収穫に向かいました。ラズベリーが真っ赤な実をつけています。移植1年目で実の数は多くありませんが、味は甘く文句なし。独特の味と食感です。実を摘み取り、そっと口に含む子供たちの幸せそうな顔。「これが木の実。嬉しいね、毎年毎年成ってくれてさ」とボク。そういえばと思い出しました。八郷への道中、高速道のパーキングの店で、ラズベリージャムを、小さな瓶入りで900円で売っていたことを。子供たちのこの後の仕事ぶり、いや遊びぶりは、風のように飛び回り、捕虫網を振り回し、ボールを蹴り合い、自然の一部のようでした。

走り回る途中でしゃがみこんで虫探し? ボール蹴りに興じる子供たち
走り回る途中でしゃがみこんで虫探し?
ボール蹴りに興じる子供たち

正午。お昼です。藤棚の下に出したテーブルの周りにみんなが陣取り、弁当を開きます。川村由佳さん手作りのキュウリとナスの塩もみ、そしてゆでたてのジャガイモに、みんなのお箸が殺到します。旨い、美味い、ウマイの連呼。最高です。畑の恵みのありがたいこと! 幸せなこと! さらに贅沢なことに、炒った落花生(去年の収穫物)も出ます。

落花生の皮をむき、デザートの準備 フライパンで落花生を炙る
落花生の皮をむき、デザートの準備
フライパンで落花生を炙る
   
藤棚の下での和やかな昼食 同左。手前の紫シソの一群を風が渡る
藤棚の下での和やかな昼食
同左。手前の紫シソの一群を風が渡る

食後は、樹陰に寝転がる人、アウトドア椅子に身を沈め無我の境地を楽しむ人、早々と午後の作業を始める人・・・と思い思いの行動。みんな好きなように時を過ごします。畑に陽が降り注ぎます。畑に土日ファーマーたちがいます。午後は、主に草取り。サトイモ、ヤーコン、ネギ、落花生などの畝間の草を、鎌で、あるいは長柄の鎌で掻き取ります。麻賀さんがトマト、ナスなどに酢の希釈液を噴霧し防虫の手当てを、ボクがトマトなどへ追肥をします。収穫するメンバーもいます。サヤインゲン、ラディッシュ、大根、キュウリ、ナスなどが次々、小屋の中に運び入れられます。午後4時。この日の予定の作業を終え、ジャガイモほかの収穫物を分け、日帰りメンバーは三々五々帰途に着きました。

(6月26日。宮崎記す)

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■6月 2日 紫シソ苗の移植など梅雨前の大仕事

6月2日。朝9時過ぎに八郷ファーム到着。2週間ぶりの畑にヤル気満々で。すると「土日庵」前の駐車場には6台が先着。のちにマイペースで来た1台と合わせ、この日は合計8組15人が出動したのでした。賑やかな畑に嬉しさがこみ上げます。暑くなりそうな朝日を浴びて、みんな早くもせっせと働いています。サヤ豌豆とルッコラの取り収め。紫サツマイモの苗植え(これでベニアズマと合わせサツマは全部で1000本近く。収穫する一部を秋土中に埋める)、ピーナツの苗植え。そして除草・・・と思い思いに畑に散らばっています。「おはようございます」「お久しぶりです」と挨拶が弾みます。

自生した紫シソの苗の移植。 サヤエンドウの最後の収穫をする吉田さん父娘。
自生した紫シソの苗の移植。
サヤエンドウの最後の収穫をする吉田さん父娘。

ボクは、小屋の脇の畑に自生した紫シソの移植から始めました。10〜20センチに伸びた苗が何100本もガバッとまとまって生えています。吉田信彦さんと2人、スコップでザックリ掘り取り、畑の隅に運んでは植え、運んでは植えしました。隣りでサヤ豌豆を摘む信彦さんの義父昭南さんに、ボクが話しかけます。「紫シソジュースを今年も作りませんとね」。昭南さんがニッコリして返します。「去年はウィスキーボトル何本かに化けたものねぇ」。ソウ、行きつけの飲み屋で、東京ワラシベ長者ものがたり、が展開したんでしたね。ハイ、ぜひ今年もものがたり聞かせて下さい、ってわけです。紫シソジュースを狙って、前週も別な場所にたんと移植したようですが、我らの欲には限界がありません。というよりこの自生苗、黙っておけば耕運され踏み潰される運命だったんです。だから、勿体ない精神、これが第一です。

紫シソジュースは夏の体調を整えるための、我ら自慢の無添加自家製ジュースです。レシピは当HPの<食情報>欄にあります。市販の材料でどうぞお試しあれ! ところでこの原稿を書く前日に近所のスーパーを見たら、ひと鍋分ほどの紫シソの茎葉が300円弱で売られていました。梅干しに赤い色を着けるのもこの紫シソ。わが畑の紫シソは7、8月が穫りごろとなります。楽しみ、楽しみ!! 畑の恵みって本当にありがたいもの、と思いながらの移植作業でした。

玉ねぎの最後の収穫。大玉に育って豊作。 里芋の畑の草取りに精出す勝海さん。
玉ねぎの最後の収穫。大玉に育って豊作。
里芋の畑の草取りに精出す勝海さん。
   
ヤーコンの苗を追加移植する。 同左。
ヤーコンの苗を追加移植する。
同左。

キュウリの蔓を這わせる支柱の竹を頂こうと、吉田君兄弟を連れて近くの竹山に竹を切り出しに行きました。こういう作業には必ずいる若月さんを先頭に。若月さんらが20本も切る間、ボクはタケノコを探しました。破竹(この字かな?)という竹だということでしたが、そのタケノコを30本ばかり頂戴しました。畑では、他に地主・永瀬師匠に教わりながら、カボチャの不要な蔓や、トマトのわき芽のカット、さらに玉ねぎ・ニンニクの最後の全収穫、ソラマメの収穫などをみんなで手分けしてやりました。黙々黙々と。午後、ボクが育てたヤーコンの苗150本ほどを、先に植えた場所に追加して植え(合計約200本に)ました。また帰り際、「早めに食べる楽しみを味わったら」という師匠の一言でジャガイモ(早生種の男爵)を試し掘りし、これでこの日のお土産が全部で14種類になったのでした。

ジャガイモ(男爵)掘り。よく実りました。 ジャガイモの花は中生種のメイクイーン。
ジャガイモ(男爵)掘り。よく実りました。
ジャガイモの花は中生種のメイクイーン。

最後のレポートが、昼食。ソラマメを例年のことですが、昼食時に食べようと、小屋の前のカマドの火で女性軍がサヤごと焼き、もう1点サヤを剥いた実を薬缶で茹でてくれました。ソラマメの皮を剥き、塩味の滲みた薄緑色の実をそっと口に入れ食べます。ほのかなマメのニオイ、かつ豆類独特の、でも控えめな豆の味。食の五万の味のうちとりわけ優しい繊細な味、味わいを突き詰めたいと味覚を恋うる味、とでもいいたいソラマメならではの上品な味を、じっくりじっくり賞味しました。死ぬほど食べたいと思うソラマメの今年の初物食でした。市価の特に高いソラマメをこの日、何千円分もお土産に持ち帰り、続いて、家ではソラマメご飯をたっぷりと楽しんだのでした。

ソラマメをサヤ付きで焼く・実をゆでる。 一番の幸せ時、藤棚の下での昼食。
ソラマメをサヤ付きで焼く・実をゆでる。
一番の幸せ時、藤棚の下での昼食。
   
ソラマメにみんなの手が伸びます。 みんなの頬もゆるみます。
ソラマメにみんなの手が伸びます。
みんなの頬もゆるみます。

NHKラジオの土曜日朝の番組「ラジオ朝一番」でボクがしゃべっている「野菜よ育て」(隔週土曜)の中で、この日はソラマメのことも話し、「この時期の畑はおいしいものどっさりの豊饒の季節」と結びましたが、その通りの畑なのです、本当に。いよいよこのあと、ジャガイモの収穫時期が何週間か続きます。掘ったら、畑バーベキューが待っています。ジャガイモ掘りを、ご希望の方、体験コース(有料)を設けますので、当HP「お知らせのページ」のご案内をご覧下さい。

(1週間遅れのレポート。6月8日。宮崎記す)

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