謡曲「葛城」(かづらき)

12月9日/

◆<葛城の 神縛り上ぐや 蔦葛 >

・出羽国羽黒山の山伏一行が大和国葛城山へ来ると、激しい吹雪に会い木陰に避難する。そこへ近くに住む女が通りがかる。女は気の毒に思い一夜の宿を申し出、自分の庵に連れて行く。そして楚樹(しもと)と呼ぶ薪を焚いてやり、古歌を引きながら葛城山と楚樹にまつわる話をした。

・夜が更けるうち山伏が夜の勤行を始めると、女は自分の苦しみを取り除く祈りをして欲しいと言う。山伏は女の苦しみが人間のものでないことに気づき問いただすと、女は、自分は葛城の神であると明かす。昔、修験道の開祖・役(えん)の行者に頼まれ、修行者のための岩橋を架けようとしたが出来ず、そのため役の行者の法力により蔦葛(つたかづら)で縛られ、苦しんでいると言って消える。

・山伏一行が葛城の神を慰めようと祈る中、蔦葛に縛られた姿で葛城の女体の神が現れる。そして山伏一行に加持の祈りを頼みつつ大和舞を舞い、夜明けの光で醜い顔があらわになる前にとばかり、岩戸の中へ入って行った。

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