謡曲「小督」(こごう)

12月3日/

◆<能小督 琴の音ゆかし 誰ぞ弾く>

・[平安時代、平家の権勢絶大なる頃のこと]・・・・・高倉院の寵愛を受けていた小督局(こごうのつぼね)は、高倉院の妻・中宮を憚って(中宮徳子は平清盛の娘)、身を隠してしまう。高倉院は深く嘆き小督の行方が心配で仕方がない。小督が嵯峨野に隠棲していることを知った高倉院は、臣下の源仲国を召し出し小督の行方を探すよう命じる。それは折しも八月十五夜(旧暦)の日であった。仲国は殿上(宮廷)での御遊の折々に小督の琴に合わせて笛を吹いたことがあり、小督の琴の音を聴き分けることができたのだ。仲国は高倉院から下賜された馬を駆り、嵯峨野へ出かけ琴の音を訪ねて回った。

・なかなか探せ出せなかったが、法輪寺辺りで琴の音を耳にする。それは小督が、帝と別れたことを嘆き、思い出を懐かしんで弾く「想夫恋」という曲だった。小督の琴の音だと確信した仲国はその家に入り案内を乞う。小督はいったん断るが、勅命であり、仲国が会うまで帰らない決意であると思い対面する。仲国は小督に高倉院の親書を渡す。小督は自分を探そうとしてくれた高倉院へ感謝し、院への手紙を仲国に渡す。そして酒宴を催した。仲国は男舞を舞い、やがて酒宴が終わると、仲国は小督に見送られ馬に乗って都へ帰って行った。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。