10月30日
◆<雲林院 折るや折らずや 花の枝>
・『伊勢物語』(在原業平作とされる)に想を得た謡曲目。二段構えの霊夢物語。
・摂津・蘆屋の里の公光は幼き頃より「伊勢物語」を愛読、霊夢を見て都へ向かう。
・京の雲林院で公光が桜花を一枝折ると、一人の老人が現れ古歌を引いて咎める。
・公光も古歌を引いて応え風流な花問答となり、公光が先日見た夢の内容を語る。
・ 夢は➡紅の袴の女性と束帯姿の男性が「伊勢物語」の本を手に花蔭に佇んでいた、
・➡近くの翁に聞き二人は「伊勢物語」の在原業平と二条后と分かったというもの。
・そこで夢が覚めたと言う公光。老人は自分が業平の化身だと仄めかして消えた。
・公光は木陰で一夜を取る。月光の下、業平の霊が艶やかな”まめ男”姿で現れる。
・業平は「伊勢物語」の秘話を語る。➡あの夜、弘徽殿に佇んでおられた二条の后。
・➡美しい后と共に内裏から忍ぶ恋路へ出た。花散る芥川を渡り迷い行った、と。
・夜遊の舞楽が映える中、夜が明け始め業平の姿は次第に消え公光の夢も覚めた。
・冒頭の桜談義・・・老人は「花に憂きは嵐というが、枝を折るのは嵐以下」と咎める。
・公光の反論・・・「古い歌に<花を見ぬ人のため一枝手折って行く>とありますぞ」
・「花を慕うのは人情でしょう」。桜談義が歌論議で進み、『伊勢物語』に通じる。