日別アーカイブ: 2021年10月21日

謡曲「西行櫻」

10月23日

◆<西行櫻 精霊もそっと 花見する >

・都の西山の西行庵は毎年、桜の花見客で賑わったが、隠遁を好む西行は嫌った。

・従者に花見を禁止させるが客が訪れる。”仏心”で庭に入れて西行が一首を詠む。

・花見んと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける--桜は罪だと。

・夜、西行が桜の木蔭でまどろみ夢見ると老人が現れ、西行の歌に異議を唱える。

・老人は自分は桜の精だと明かし「花は物を言わないが、桜に罪はない」と諭す。

・草木国土悉皆成仏というわけだ。そして春宵一刻値千金とばかり舞を舞った。

・時は過ぎ花影の中、春の夜が明け初めて散る花と共に桜の精は消えて行った。

謡曲「巴」

10月22日

◆<女武者 巴の愛や 鳰の海>

・都に上る木曽の僧が琵琶湖のほとり江州粟津が原で、神前に参拝する女と会う。

・粟津が原の祭神は木曽義仲だと教え供養を勧め、自分は亡者だと明かし消える。

・僧は亡者は義仲の愛人巴だと確信。夜に経を読んでいると女が武者姿で現れる。

・女は巴の霊だと言い、主君の義仲と最期を共に出来なかった恨みごとを訴える。

・義仲と共に戦った合戦、義仲の最期、己れのその後、今に至る執心を切々と・・・。

・義仲は倶利伽羅峠で平氏を撃破、後に後白河法皇と衝突し頼朝が送った源範頼と

 義経の軍により「粟津の戦い」で討たれた。義仲(1154〜1184)は頼朝とはいとこ。

謡曲「籠太鼓」

10月21日/

◆<籠太鼓 打つほどに妻 舞ひ盛る >

・殺人の罪で主君・松浦某の牢に繋がれていた関の清次は、番人の隙を突き脱獄。

・某は妻を尋問するが「知らぬ」と。そこで妻を牢に繋ぎ時を告げる鼓を掛ける。

・妻は牢の中で気が狂う。同情した某が牢から出すも妻はなおも狂乱し鼓を打つ。

・見かねた某が夫婦ともに赦すと誓う。妻は喜び夫の元へ。狂乱は偽りだった。

・本作は、夫を恋い慕って狂乱する女を描く狂女物の1つ。でも、偽りの狂気だ。

・清次の脱獄を某に報告するセリフ「抜けてござる」(抜けて候)に関し一言・・・。

・『道成寺』の「落ちてござる」、『安達原』の「見てござる」と共に「三ござる」。