日別アーカイブ: 2021年10月15日

謡曲「殺生石」(せっしょうせき)

10月16日/

◆<野干よ悪 那須に成さずや 殺生石>

・高僧玄翁が下野国那須野の原へ来て、ある石のそばを飛ぶ鳥が落ちるのを見る。

・女が現れ玄翁に石は殺生石と言い、近づく生き物を殺すので近寄るなと告げる。

・女が殺生石の由来を語る・・・鳥羽の院時代の昔、玉藻の前という宮廷女官がいた。

・才色兼備の玉藻を院は寵愛。でも陰陽師安倍泰成に狐の化身と見破られ逃げた。

・那須野の原で討たれ魂が殺生石となった。自分が玉藻の前の霊だと言い消える。

・玄翁が石魂を仏道に導こうと法事を行うと野干(やかん=狐)の精霊が現れる。

・野干は唐・天竺・日本で世を乱し、撃たれ、殺生石となり人を殺したことを反省。

・玄翁に仏法を授けられ、悪事はせぬ約束を結ぶ石となり狐の鬼神は消えて行く。

謡曲「江口」

10月15日/

◆<白雲呼び 人の道説く 江口の君>

・旅僧の一行は摂津国・天王寺参詣の途中、淀川を下った江口の里で一宿を乞う。

・娼館の宿場の長・江口の君は西行法師の一宿を断ったエピソードで有名だった。

・旅僧が「世の中を厭ふまでこそ難からめ仮の宿りを惜しむ君かな」と口ずさむ。

・あの時の西行の歌である。そこへ女が現れ自分が江口の里(亡霊)だと明かす。

・娼館ゆえ西行には遠慮したと。そして俗世の話は捨て置くように言って消えた。

・旅僧が里男に聞くと、江口の君は普賢菩薩の生まれ変わりだという話もあると。

・旅僧が弔っていると、江口の君の亡霊が侍女の霊と共に屋形舟に乗って現れる。

・絢爛豪華な舟遊びである。江口の君は、因果応報、諸行無常を説き、舞を舞う。

・やがて江口の君は、執着を離れれば悟りを得ると語って、普賢菩薩の姿に変身。

・舟は白い象に変わり普賢菩薩はその白象に乗り白雲と共に西の空へ飛び立った。