月別アーカイブ: 2021年10月

謡曲「橋弁慶」

10月11日/

◆変幻に 剛直撃たるる 橋弁慶>

・比叡山の僧・武蔵坊弁慶は五条の天神の橋に化け物の様な人斬りがいると聞く。

・弁慶、長刀を手に退治へ。女装の牛若と斬り合うが翻弄され降参し主従を契る。

・元々の伝説は、弁慶が刀を目当てに人を襲い笛を吹く牛若に出会うというもの。

・弁慶シテ、牛若子方、ワキ無し、の珍しい構成。斬り合いの場面が聴きどころ。

謡曲「菊慈童」

10月10日/

◆<菊慈童 葉に生る露や 永遠の霊水(みず)>

・魏の文帝の世に酈縣山(れっけんざん)から霊水が湧出、探訪の勅使が派遣された。

・山中の庵に少年が1人。周の穆王に仕えた「慈童 」だと。七百年前の話ではないか。

・慈童は皇帝直筆の偈(経典の言葉)が入った枕を示す。勅使ら信じ皆で偈を唱える。

・慈童が二句の偈を菊の葉に写すとその露が不老不死の霊水に。故に七百歳だと。

・慈童が楽を舞い霊水(酒)を酌み交わす。帝の世の繁栄を祈り山中に帰って行った。

謡曲「景清」

10月9日/

◆<景清や 落魄盲ひて 娘抱く>

・屋島合戦に敗れた平家の武将・悪七兵衛景清は落魄、日向で盲目となっていた。

・そこへ一人娘・人丸が景清を訪ね来て、里人から庵の中の主が景清と教えられる。

・景清、終に事実を認め屋島の戦いを語り、自分亡き後の弔いを娘に頼み別れる。

謡曲「野宮」(ののみや)

10月8日/

◆<野宮の 黒木の門や 秋の月>

・旅僧が京の嵯峨野へ。伊勢斎宮の際の”潔斎処”であった野の宮の旧跡を訪ねる。

・晩秋9月7日。榊を持つ気品ある里女が出現。女は光源氏が愛した六条の御息所。

・光は9月7日に来てくれたのに絶えた恨み、葵上(光の正妻)との喧嘩を語り舞う。

謡曲「龍田」

10月7日/

◆<竜田川 紅葉の錦 名歌産む>

・全国の寺社を廻る旅僧。紅葉で有名な古歌にも数多く詠まれる奈良の立田川へ。

・明神に参らんと川を渡る直前、巫女が制止する。神木紅葉の葉は川の錦yゆえ。

・川が氷る冬に渡れば川の錦が絶える」し秋も然りと。実は巫女は明神の龍田姫。

・明神を讃える通夜が行われ神楽が流れる。姫の優雅な舞。山河草木国土治まる。

謡曲「松風」

10月5日/

◆<松風に 行平まつや 秋深し>

・須磨の磯辺。秋の夕暮れ。旅の僧が1本の松を見つけ、人に尋ねその来歴を知る。

・海士の姉妹、松風・村雨の墓標だった。汐汲から帰った姉妹に塩屋での宿を乞う。

・松風が思慕する在原行平を今も「まつ」と狂い舞う。熊野と松風は春と秋の名曲。

・行平の歌「立ち別れいなばの山の峯に生まふる まつとし聞かばいま帰り来む」

謡曲「經正」

10月4日/

◆<經正の 琵琶の音かなし 悲史つつみ>

・京の仁和寺の僧都行慶による法要。源平合戦「一ノ谷」で斃れた平経政の供養。

・清盛の甥で「敦盛」の兄。貴族趣味に耽溺した平家一門でも才覚際立つ貴公子。

・琵琶の名手で詩歌管弦に興ずる日々だった? 舞台の舞も優雅。修羅ものだが。

謡曲「土蜘蛛」

10月3日/

◆<土蜘蛛の 千筋の糸が 降りかかり>

・源頼光に名刀・膝丸あり。病重き頼光を法師に化けた土蜘蛛が襲う。

・妖刀膝丸が土蜘蛛の千筋の糸をズタズタに切り払う。ああ怖ろしや。

・『わが夫子が来べき夕なりささがねの蜘蛛の行い是夕著しも』(古今和歌集)

  上の詞句(ささがに、まで)が入っており、土蜘蛛の出現を示唆している。

  夫子=せこ、夕=よい、是夕=こよい、著し=しるし、と読む。

 

 

謡曲「道成寺」

10月2日/

◆<鐘に秘す 女人の悲話や 道成寺>

・紀の国の道成寺で鐘の再興供養。女人拒否のところ寺男を振切り白拍子が潜入。

・あげく女は鐘を落とし中に潜る。訳ありの行動にまつわる事件を住職が明かす。

・「荘司の娘が鐘に隠れた懸想の山伏を焼き殺した事件」をなぞる出来事が起きる。