日別アーカイブ: 2021年11月2日

謡曲「隅田川」

11月3日/

◆<隅田川 母子の情愛 渡したり>

・隅田川の渡し場。舟頭が最終の舟を出す間際、旅人が女物狂がくるぞと告げる。

・女は都北白河の住人。わが子を人商人に攫われ狂乱し、息子を探しに来たのだ。

・面白く狂ってみせてと言う船頭。女はある古歌を引き皆を感心させ乗船が叶う。

・古歌は「伊勢物語」中の業平の歌・・・いざ言問はん都鳥我が思う人はありやなしや。

・舟頭は一年前の今日3月15日に対岸下総の川岸で死んだ子・梅若丸の話を物語る。

・一周忌供養を営むという船頭。対岸で皆は下船するが、狂女は泣いて降りない。

・舟頭は狂女を子の塚に案内。夜の大念仏で狂女は鉦鼓を鳴らし念仏を唱え弔う。

・塚より梅若丸の亡霊が。母は抱きしめんとするが幻はすり抜け母は悲嘆の底へ。

・やがて夜が明け亡霊の姿は消え、母はただ草茫茫の塚で涙にむせぶのだった。


・「隅田川」「百万」「桜川」「班女」などの女を主人公とする作品を「狂女物」と呼ぶ。

・狂女物は子や夫に再会し正気に戻るハッピーエンド型が多いが、「隅田川」は別。

・都鳥(みやこどり)はチドリ目ミャコドリ科の鳥。般にはユリカモメを指す。