日別アーカイブ: 2021年11月15日

謡曲「班女」(はんじょ)

11月16日/

◆<班女の愛 閉じることなき 扇かな>

・美濃野上の宿の遊女と吉田少将は東国へ行く少将が投宿した宿で恋に落ちた。

・二人は扇を交換し将来を誓い別れる。花子は少将を想い毎日扇を眺めて暮らす。

・あげく宴席の勤めをしなくなった花子を宿の主人は宿から追い出してしまう。

・東国からの帰途、少将は野上の宿を訪ねるが、花子はいず落胆し京の都へ帰る。

・少将は宿願を持って糺ノ森(下賀茂神社)に詣でる。すると班女・花子が現れる。

・壬生忠見詠の「恋すてふ我が名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひ初めしか」➡

・という歌を謡う花子。少将を探し求め班女の狂女 となり京を彷徨っていたのだ。

・少将の従者が班女に狂って見せよと露骨に言う。班女は慫慂と受止め舞を舞う。

・それを見ていた少将は班女の舞の手にある扇に目を留め、それを見せよと頼む。

・少将と花子は互いの扇の絵を見て、恋焦がれていた恋人だと確かめ喜び合った。

・野上は、今の岐阜県不破郡関ヶ原町野上。糺の森は、ただすのもり、と読む。

・上掲の壬生忠見の歌は良く知られた「百人一首」の中で人気最上位クラスの歌。

・(注)班女とは・・・中国・前漢の時代に成帝の寵妃であった班婕妤(はんしょうよ)のこと。趙飛燕に寵愛を奪われたことから、秋には捨てられる夏の扇に自らをたとえて嘆いた詩「怨歌行」を作った。以来、捨てられた女のことを秋の扇と呼ぶようになったという。この故事をもとに、離れ離れになった遠くの恋人を想い、扇を眺め暮らす花子にあだ名がつけられたという設定。(この項はネット「the-Noh.com]より)