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謡曲「蟻通」(ありどおし)

11月15日/

◆<蟻通 明神讃ふ 歌の才>

・紀貫之は和歌の神たる紀州・玉津島神社に参詣した。日が暮れ大雨が降ってきた。

・馬までが倒れ伏し立往生した所へ宮人が現れる。その様を見咎めた宮人は言う。

・「ここは蟻通明神の門前、乗馬のまま通り過ぎようとした非礼が祟った」と・・・。

・宮人は問い質し貫之だと知ると、「神に対し歌を奉納し詫びるとよい」と勧める。

・貫之が詠む。雨雲の立ち重なれる夜半なればありとほし(蟻通)とも思ふべきかは

・宮人の心に叶い、神慮にも沿う歌であり、宮人が馬を引くと馬は起き上がった。

・貫之は宮人に祝詞を奏上するよう頼み、宮人はそれに応える。神楽も舞われる。

・宮人は実は蟻通明神の化身だった。貫之の歌に感じて現われたと告げ姿を消す。

・神霊を見送り貫之は喜びの神楽を奏し、夜が明けると(貫之の霊は)空へ旅立った。

・(注)世阿弥の作である。貫之の詠歌中の「ありとほし」は、「有り]と「星」の掛詞。