11月30日/
◆放下僧 こきりこ奏で 父に会う >
・下野国の牧野左衛門の子、小次郎は相模国の利根信俊に争論の末に討たれた父の敵を討つと思い定めている。利根は大勢なので、幼少時より出家している兄に助けを求める。しかし兄は出家の身だからと慎重を期す構え。そこで小次郎は親の敵を討たないのは不孝だと兄に迫り、二人は同意し共に敵討ちへ出立した。いかにして利根に近づくか・・・当時流行っていた放下(ほうか)の格好をすることにした。
・利根は夢見が悪いからと瀬戸の三島への参詣に向かう。そこで出会った異形の放下と会い名を聞くと、浮雲・流水だとと言う。この二人こそ小次郎と兄だったのだ。利根は二人がう団扇や弓を持っている理由を聞き禅問答をする。兄弟は団扇と弓を使った芸を見せつつ利根の隙を窺い、油断した機をとらえ兄弟で利根を討った。長年の恨みを晴らし、親の敵を討った名を末代に残した。
・(注)放下とは・・・中世から近世にかけて行われた、田楽の流れをくむ大道芸の一つ。「こきりこ」という楽器(曲中では筑子、と書かれている)を奏で俗謡をうたい舞を舞った。僧形をした放下僧と俗体の放下師があるとされる。